昨日は小正月、新年も早や半分過ぎてしまった。今年の正月は雪が多く寒い印象が強い。度々寒波が雪を連れてやって来た。昨日の予報でも、今日はウルトラ寒波が到来し大雪になるだろうと言われていた。ところが今日は確かに低温ではあるが大雪は無くホッとした。降っている所は大変だろうが、伊賀はたまに風花が舞うぐらいだった。雪は好きではない。寒いのも好きではない。正月から一度車いすにて散歩に出ただけ、今は引き籠りの気分に浸っている。今年は「行雲流水」の志で生きようと思った。淡々として自然の成り行きに任せて行動することに決めた。怠惰ではない。体たらく、自堕落でもない。行雲流水の生活やと言えば聞こえがいいかもしれない。なんとなく無理をしないでと自分に言い聞かしてしまうのだ。いずれにせよ、今年は新年から寒さに負けてしまったようだ。
わが恵方欅の網に日の差して
年頭や行雲流水のこころざし
窓越しの深雪明りや寝正月
人日の建て付け悪き戸を叩く
抽斗の印鑑探す三日かな
読み初の大歳時記に指切らる
切りし爪遠くへ飛べる七日かな
正月の果て人の果てありにけり
小豆粥窓の雀と祝ひけり
寒波くる女の髪を掻き乱し
ふる雪の奥を見つむるからす猫
墓百基雪は斜めに降りかかる
厳寒を来たり獅子鼻真赤にし
麦の芽の列の曲がりを見てゐたり
いま弾み出さうな龍の玉ひとつ
愚痴言へぞ楽にならずや龍の玉
雪くると風が叫ぶや女正月
雪かけら呑んでどんどの火の猛る
松過ぎや大雪予報はずれけり
松過ぎの砂場に深き足の跡
大寒の戸袋の釘浮きにけり
大寒を気丈頑固に生き給え
今夜あたり雪が降るような気配である。明日目を覚ますと雪が積もっているかもしれない。今日は晴れて良かった。母は私の伯母の三回忌に行ってくれており、留守番をしている。寒い時期、身ごしらえも大変な母、もう親戚の付き合いも無理かなと痛感した。存在感をもって欲しいと思ってのことだが、もう気の毒かなと思ってしまう。「そんなぐらい行くわ 車で送迎してくれるんやから」と呼ばれると気丈に答える母なのだ。私の介護だけしてもらえれば、傍に居てくれるだけで十二分、他に何も強いてはならないと改めて思った。そんな母、この厳寒の時期、風邪を引かずに頑張って欲しいと念じている。二十日は大寒、気丈、強情をもって厳寒を耐えて欲しいものである。