今日は月に一度の句会が我が家で行われた。当初私の家での句会は一日に決めてあった。こんなに遅くなったのは師の都合である。私がこんな身体ゆえに、どこへも行けない。俳句を始めても句会に参加できないのは可哀想、それなら家で皆に来てもらえばいいと句会がわが家で始まった。有難いことである。周囲の人々に感謝した。初めは本屋の畳の間で行われていた。平成十年、父が私のために離れ座敷を建設してくれて、一室を句会のための洋間にしてくれた。そこで何年句会が行われただろうか、平成十四年暮に父が逝き、平成十六年よりデイサービス事業が開始され、夜にお借りすることになったのである。都合により昼に句会をするならば日曜日しか借られない。そんな訳で今日になった。
ひる顔と置かれ砥石と空缶と
草擦つて行く青大将の音立てて
青柿のひとつ落ちふたつ落ち日ぐれ
しとしととはらはらとくる半夏雨
雨晴れの天へ蕊張る合歓の花
孔雀飼ふ青嶺の村の小学校
あめんばう大空へとび失せにけり
芋焼酎名を赤とんぼと申すなり
葭蔶より洩れ来る爺の軍歌かな
総身を真つ赤に赤子泣く土用
窓の雲あかね混じりやソーダ水
足の爪磨くをんなやさるすべり
胸白きすずめの歩く梅雨の底
柴折戸の黒づむほどの半夏雨
目が合うて動かずなりぬ青大将
雨雲の割れて日差すや雨蛙
句会に出すために作った最近の句である。たかが十人の句会であるが、私には唯一の句会であり大切にしている。たったの七句、出句するだけであるが、多く作り多く捨てる。せっかく作ったのにと、捨てるのを惜しむ気持が湧いてくる。七句出して師に採ってもらえる句が二句もあれば大喜びをせねばならない。今回、「足の爪磨くをんなやさるすべり」「胸白きすずめの歩く梅雨の底」「柴折戸の黒づむほどの半夏雨」が好評であった。