平成6年4月に、関西本線非電化区間からキハ58・28型という気動車が引退しました。亀山鉄道部が惜別の意味をこめて奈良〜柘植間にさよなら運転の臨時列車を運行した時の話です。現在のキハ120型が導入されるまでは、クリームと朱色の国鉄色を纏った気動車が主力として活躍していました。この車両は本来、急行用の気動車として昭和30年代に開発され、気動車では最多両数を誇ったこともあるほど、全国津々浦々の国鉄路線で見ることができました。関西本線でも昭和40〜50年代頃は急行列車として使用され、長大編成で行く姿も見られました。引退直前には2両の基本編成で、ワンマン運転を行う改造がなされ、かつて優等列車として活躍した姿は見る影もありませんでしたが、国鉄型気動車の標準型であり、扱いやすく保守面でも信頼できる車両であったため長年にわたって使用されていたと言われています。私は当時、今のような趣味活動は行っていませんでしたが、新聞記事でさよなら運転があることを知り、折りしも4月の日曜日で桜が見頃の時期であったため、妻を誘って笠置への花見にこの列車に乗ることにしました。大きなヘッドマークも誇らしげに6両もつないだ臨時さよなら列車は、桜が咲き乱れる沿線風景の中をいつも以上に力走しているように感じました。ちなみにこの後も、関西本線では急行かすが号と団体臨時列車で暫らくその姿を見ることができましたが、今は全国でも急速に廃車が進み、東北や四国などのごく一部でしか見ることが出来なくなっています。 |