ふとしたきっかけで鉄道趣味の面白さに再び目覚めた。楽しみ方は色々鉄道趣味は奥が深い。私の趣味活動をほんの少し披露し、併せて伊賀地域の鉄道の将来について考えます。
 
2025/05/06 21:57:00|関西本線のこと
キハ120型の転属が意味するものを考える
 去る4月29日、岡山色に衣替えした亀山運転区の関西本線専用(だった)キハ120型2両がDD51ディーゼル機関車に牽かれ旅立った。
 この日も多くの情報通の人たちの被写体として脚光を浴び、通いなれた関西本線を後にしていった。新製配置から早や30年あまり、一時も亀山の基地を動いたことがない14両のうちの2両だ。たかが2両、されど2両、前回にも書いたが、この出来事の意味するものは何か、車両の転属などは国鉄時代は全国規模で頻繁にあった。しかし、それはよくも悪くもおおらかな時代、輸送力が過剰でも経営にあまりシビアでなかったときのこと。対する民営化後、出来るだけ省力化を進めたJRは輸送力の要のひとつである車両は、維持するコストが高額になるため過剰には持たなくなった。また、線区によって地域性が際立つ地方線区用の気動車は、他線区への転用はあまり例がない。
 このたびの転属が、岡山エリアでの輸送力強化のためなのか、国鉄時代から残る古い気動車の置き換えのためなのか、今はまだわからない。しかし、関西本線にとっては、今後、輸送サービスの改善につながる増便や増車の可能性は、極めて難しくなったといえる。代わりの車両が来ないならば、明らかな輸送サービスの後退に違いない。
 民営化直後に比べ、加茂〜亀山間の輸送量は約4分の1になったという。原因は色々あるだろう、沿線人口の減少、少子高齢化、マイカー依存の高まり、しかしそれは推し量れば十分に想定できたもの。それに対して、ニーズの掘り起こし、サービス改善を行ってきたのか、旧態依然としたサービスのままで、もっと乗れとは無理がある。果たして、改善を求める沿線住民や市町村の声に応えてきたのだろうか?JRも府県も聞く耳を持たなかったのではないだろうか。コロナ渦を経て最悪の状態が近づいて、やっと重い腰を上げたようにしか見えない。もっと早く打つ手があったのではないか?と今さらに思う。
 利用促進策の協議を沿線自治体と行っている最中にもかかわらず、車両の削減を行うJRの見解は如何に?「キハ120型は、線区内の現状の輸送量に適した配置の車両数としました。一方、沿線自治体と検討している利用促進策として、都市部からの利用の潜在需要を掘り起こすには、他からもっと立派なクルマを持ってきますからご心配なく」、と是非とも言ってほしいと思う。







2025/04/29 11:41:57|関西本線のこと
色違いのキハ120型走る
 4月26、27日の両日、関西本線に普段は見かけない色のキハ120型気動車が走った。関西本線のキハ120型は前面と側面上下に紫色が配されているが、色違いのものを見ることは無い。
この日走ったのは、2本の濃淡があるオレンジ色のストライプが巻かれたキハ120型。主に岡山を中心とした地域でみられる色のものである。聞けば、元々亀山の基地に所属し、関西本線で運用されてきたキハ120型の2両が、新たに岡山地域に転属するための試運転だそうだ。珍しい車両が走るとあって、事前情報を得た人たち(私もその一人だが)がこぞって撮影に来られていたが、私は少々複雑な思いだ。
 なぜなら、関西本線用のキハ120型は亀山に確か14両配置されているはず。これは同車が導入されて以来、長らく増減はない。そのうち2両が他地域に異動するということは、輸送量が減って、車両数に余剰が生じていることの証ということだからだ。確かに昼間の多くの時間帯は1両のみの列車が多い。車両数は需要の最大に合わせて配置されるが、全列車2両あるいはごく稀に3両という時もあったが、それを最大とすれば、もうそれだけの車両数を用意する必要はないということだ。路線維持のための課題が取りざたされている中で、今後、他形式の車両が補充されるということはまずないだろう。
しかも転属していく形式は、貴重なセミクロスシート車の300番台というから余計に悲しい。
 珍しいものを見れたと盛り上がっている場合ではない。これが現実、真剣に考えないと…。







2025/03/29 13:18:00|その他
サロンカーなにわ
JR西日本が所有する欧風客車「サロンカーなにわ」が京都鉄道博物館で企画展示されていると聞き、所用ついでに見学してきた。
昭和の終わりから平成初期にかけて、JR各社では当時の人々の旅行ニーズに合わせた、豪華な団体臨時列車用の客車が製作され多数運用されたことがある。JR西日本では、この「なにわ」をはじめ、「あすか」、「いきいきサロンきのくに」等々、東海では「ユーロライナー」が関西本線や紀勢本線に度々やってきて沿線を彩ったものだ。特に正月の伊勢詣臨時列車は週末になると各地からやってきて、格好の被写体となったのも懐かしい。
今は、機関車牽引の客車列車そのものが無くなる傾向にあり、また、旅行ニーズの多様化からこうした団体用客車が必要とされなくなり、各社とも車両の淘汰が進んでいる。
JR西日本でもこの「なにわ」のみが残存しているが、大方の予想では、間もなく見納めとのこと。近年は稼働が少なかったが、最近特にこの車両を使ったツアーがたくさん企画されている。博物館での企画展示も、正式な発表はまだないが、ファイナル間近を予感させる。一度でいいから乗ってみたかった思いはある。

※左下の画像は関西本線での「サロンカーなにわ」(柘植〜加太)







2025/02/23 13:14:20|関西本線のこと
名古屋〜伊賀上野直通実証運行2日目
 2回目の実証運行は、ニンニンニンの日に合わせた2月22日、今シーズン最強寒波の中やって来てくれた。午前中の往路は、寒風吹き荒ぶも天気は晴、写真は前回よりもすっきりとしたカットとなったが、復路は一転、昼頃から降り出した雪の中となった。しかし、カメラを構えたポイントの予想通過時刻になっても列車は現れない、最寄りの中継信号機は青(進行現示)になっているのだが、雪と寒さに耐えかねクルマに非難した。スマホでJR西日本の運行状況がわかる列車走行位置を確認すると10分遅延、これくらいの雪でも影響するのかな?それとも別の輸送障害?
 あれこれ考えているうちに、近くの踏切が鳴り出す。特徴ある3つのヘッドライトが煌々と近づき、重厚なカミンズエンジンの響きを残して走り去った。次はまたあるのか?観光需要等実施の評価は如何に?
 意外に世間の注目を浴びた今回の“実験”、今後に展開されるのかどうかも是非、注目してほしい。








2025/02/18 21:31:00|関西本線のこと
名古屋〜伊賀上野直通実証運行1日目
 2月16日、世間が注目する中、関西本線の直通列車実証運行が開始された。
 初日となったこの日、私は伊賀市内の沿線でこの列車を記録すべくカメラを構えた。正月の伊勢初詣や修学旅行臨時列車が多数運転されていた10数年前まではこうして関西本線の線路端で列車の通過を待ったものだが、それらも無くなり、最近は撮影に出かける機会もずいぶん減ってしまった。加太周辺のかつての有名撮影地は混雑することが予想されたため、あまり人が集まらないであろうポイントを事前にロケハンしておいたのだが、それでも既に数名の撮り鉄さんがスタンバイしていて少し驚いた。加えて、従前からアナウンスされていたためか、ご近所さんとおぼしき人たちや何事かと偶然通りがかった人たちも一目見ようと世間話をしながら待っているのが、まるでお召列車でも迎えるようでほのぼのとして良かった。一方で周辺道路では、違法駐車対策か撮り鉄の暴走を警戒してか、パトカーがしきりに行ったり来たりして、少々物々しい。時には画角に侵入してきて少々興覚めする。以前では考えられなかったことだが、各地で常識を逸脱した行為が問題視されていることも背景にあるのだろう。
 さて、肝心の列車は時刻通り眼前を通過した。天気は少し良くなかったもののそれなりの写真が撮れた。急行「かすが」が廃止された平成18年3月以来、JR東海キハ75型2両編成が再び伊賀盆地に現れたことは感慨深いものがあった。
 今回の実証実験はネットニュースやSNSでも取り上げられ、賛否両論が展開されていた。今後の取り組みに反映されなければただの一発花火でしかないのは承知のこと。それでも、利用者の大幅減少で路線存続への危機感が増した状況とはいえ、今まで、関西本線非電化区間の活性化策にあまり積極的でなかった三重県が主導して、伊賀市、亀山市を巻き込み、JR西日本を動かして、JR東海を渋々?承諾させて直通運行を実現したのは大いに評価したいと思う。
 忍者の日に合わせた、2月22日の2回目も無事に運行されることを願い、またどこかの線路端に立ちたいと思う。







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