いよいよ、週明けの10月1日から近鉄伊賀線が新生伊賀鉄道伊賀線として再出発します。伊賀軌道として産声を上げて以来、合併による運営会社の変遷はあったものの、長らく大手鉄道会社による経営にあり、よもや開業91年で存亡の危機に立たされ、再び独立の道を歩み始めるとは思いもよらなかったわけであります。さて、開業前夜となったこの週末、伊賀線の様子を観察していますと、駅には伊賀鉄道○駅の看板が掲げられ、車両には今まで正面についていた行き先表示板がなくなり、忍者のキャラクターが入った小型のものが窓内側に付けられました。上野市駅舎には多数の忍者の人形が配されています。新会社移行後は乗客増に知恵を絞ることになりますが、一つの方向性が観光利用の拡大ということでしょうか。多難な船出が予想される伊賀線ですが、私は新会社に移ることで大きい期待も持っています。それは今まで大手私鉄「近鉄」の路線ではなしえなかった、地域鉄道の魅力創出です。今までの伊賀線は主に近鉄本線にお客を運ぶ支線でしかありませんでしたが、これからはその役割以上に、伊賀線が独自のアイデアで魅力ある鉄道に変貌できる可能性があるということです。これは大手ではできない地元に密着していればこそできることではないでしょうか?伊賀線に乗ること自体が楽しくなる、伊賀線に乗るために人がやってくる。沿線住民も誇りに思える。そんな鉄道に変えていかなくてはなりません。その一つの方向が、忍者の里を走る鉄道であるならば、象徴的存在である、今の忍者電車の魅力をもっと引き出すことも一策ではないでしょうか。例えば、あの外装にあわせて車内の内装を忍者屋敷をイメージさせるデザインに改造するとか、行楽シーズンには、春の忍者フェスタで市中で行っている「忍者を探せウオークラリー」や「忍術道場」的なことを駅施設と車両内で行うとか、忍術博物館を訪れる観光客向けに臨時列車を仕立てて車内で事前学習ができる忍者教室を開講する等々。忍者だけではなく、芭蕉のふるさとらしく、伊賀の自然や景観を車窓に見ながらの車内句会の実施とか、沿線の魅力を感じながら乗ることに魅力を感じる方法を沿線住民や利用者など皆で考えてみてはどうでしょうか。その積み重ねが、伊賀線を将来に引き継いでいく大きな力になるはずです。 |