JR和歌山駅の最も東に隣接する和歌山電鉄貴志川線のホームは、JRのホームと地下道で結ばれており、引き込み線1線を備えた1面1線行き止まり式の構造。出札窓口のある小さな駅事務所には2名の女性駅員がおり、数多く並べられた和歌山電鉄オリジナルグッズの販売にも余念がない。“最近は遠方から来られるファンの方も多いんですよ”とこちらの記念撮影の依頼にもにこやかに応じてくれました。貴志川線は和歌山(和歌山市)〜貴志(紀ノ川市)間14.3キロを結ぶ電化単線の路線で、平成16年3月まで南海電鉄の支線であったのですが、近年の乗客減と収益悪化で廃線問題が浮上、南海の撤退表明で、沿線自治体や住民が奮起し、存続に向けた取り組みを展開、貴志川線を引き受ける企業などを公募した結果、岡山電気軌道が引き受けることになり、同社全額出資の和歌山電鉄が誕生し、同年4月1日から運営をしている路線なのです。実は和歌山電鉄の鉄の字は、金を失うというのを嫌って正式には難しい字を充てます。そういったこだわりも持ち合わせ、最近では、南海から引き継いだ車両のうち2編成に、有名デザイナーによる「いちご電車」や「おもちゃ電車」といった乗って楽しくなる改造を加えるなど乗客増に向けた面白い取り組みや、終点駅である貴志駅に入居する商店では飼い猫を駅長に仕立てた「ネコ駅長」が誕生するなど、沿線住民のユニークなアイデアが、路線存続の成功事例として全国的にも注目されている路線なのです。私達は、1本目の電車を見送り、噂の「おもちゃ電車」に乗車することにしました。「おもちゃ電車」の到着時刻が近づくと、ホームには子供連れの家族が続々とやって来ます。どうやら、この車両をお目当てにした人達のようで、この作戦も今のところ成功しているようでした。(つづく) |