10月14日は鉄道の日でした。私は13日に別の用事で上京することになり、14日はフリーにして関東地区の鉄道を楽しんできました。この日は丁度、埼玉県さいたま市の大宮に鉄道博物館がオープンする日でもあり、そちらに少し心が動いたものの、オープン初日は大混雑が予想されるため、また別の機会に訪れることにし、以前から行ってみたかった、茨城県の茨城交通湊線を訪ねることにしました。この路線はJR常磐線の勝田から延びる全長14キロ程の非電化単線のローカル私鉄です。この路線の魅力は何と言っても、旧国鉄型のディーゼルカーが現役で活躍していることで、国鉄出身で朱色とクリームの国鉄色を纏ったキハ20型、北海道の廃線になった私鉄からやってきた2両のキハ20型が合計3両働いており、後の2両も旧国鉄色、旧国鉄準急色と呼ばれるカラーを纏っています。これらの車両が行き交う路線の風景は緑豊かな田園地帯であり、大正2年開業の鉄道らしく古めかしい駅舎やホームなどかつての国鉄非電化ローカル線を思い起こさせる雰囲気に満ちています。この日、2両の旧国鉄型車両が終日運行されるとの情報を得ていましたので、朝から上野発の常磐線特急「スーパーひたち」号に乗り込み、勝田を目指しました。上野から勝田までは約1時間あまり、東京都心からでも決して遠くはありません。勝田は水戸の一つ隣の駅でJR東日本の車両センターもあり、新しい橋上駅舎を備えています。この地はかつて勝田市を名乗っていましたが、10数年前に隣の那珂湊市と合併し、ひたちなか市となりました。今の市の中心が勝田駅の周辺になっています。茨城交通湊線はこの勝田から旧那珂湊市の中心、那珂湊を通り、海水浴場で有名な阿字ヶ浦を結んでいます。 勝田駅の切り欠きホームである1番線が茨城交通の発着線ですが、JRのホームとは柵で仕切られ、小さな出札口が設けられただけの簡素な佇まいです。私は1日乗り放題のフリー切符を購入し、僅か数人の客と列車を待ちました。待つこと10分、やって来たのは懐かしいツートン色のキハ20型でした。(続く) |