11月三連休の初日である勤労感謝の日、昨年4月1日に南海電鉄から経営移管された和歌山電鉄貴志川線を訪問してきました。今回の遠征も鉄道写真館@1972主宰のtetuさんにご同行いただき、地方鉄道活性化の取り組みを視察してきました。 まず、和歌山までの行程ですが、通常ですと大阪・天王寺を経由して阪和線、又は南海本線を利用して和歌山入りするのが常識的といえるのですが、以前から一度乗車してみたかったJR和歌山線を利用して、同線の状況も確認しながら行くこととしました。 当日は、近鉄大阪線大和高田から乗り換え、JR高田から五条行き普通列車で五条へ、五条から和歌山行き普通列車で和歌山へと向いました。JR和歌山線は奈良県の王寺から和歌山市を結び、大阪近郊区間の中にあり、JR西日本のアーバンネットワークの最も南に位置しますが、様相は必ずしも一様ではありません。関西本線(大和路線)と連携して、近鉄大阪線と競合する王寺〜高田間はJR難波直通の区間快速が、大和路快速と同じ221系電車で日中20分毎に運転されるなど大阪近郊路線として機能しており、対する高田〜五条〜橋本〜粉河間では沿線の中小都市を結ぶローカル輸送を中心に115系電車2両を用いて、30〜60分毎に運転されています。粉河〜和歌山間では和歌山市近郊区間として30分毎の運転となっています。全線を直通する列車は数少なく、高田、五条、粉河を中心とした区間運転が多いのは線内の旅客流動に合わせた結果といえます。かつて、急行しらはま号や紀ノ川号、東京〜和歌山間の大和号などの南紀方面などへの直通列車が運転されていた時代もあり、JR化直後には京都発紀勢本線直通の臨時特急も運転されたことがありました。近年はそうした役割もなくなり、寂しい感がありますが、国鉄時代末期の財政厳しい時期であるにもかかわらず電化(昭和55、59年)がなされたことは、同線の将来に期待を抱いていたことを伺い知ることができます。計画中の京奈和道路の延伸等、並行する道路の改良があまり進んでいないこともあって、依然、奈良、和歌山両県の中小都市を繋ぐ重要な路線であることには違いなく、実際に乗車した感想としても、途切れなく車内の座席が埋まっていたことから、地域の移動手段として十分活用されていることを実感することができました。さて、私達の乗った列車は、紀ノ川沿いの田園地帯を走りぬけ、終着駅和歌山駅へ到着しました。ここで和歌山電鉄貴志川線に乗り換えることにします。(つづく)/画像左はJR和歌山線五条駅の様子。構内は広く、昔ながらの風格ある駅です。画像右は和歌山電鉄貴志川線の和歌山駅の様子。JRと隣接し地下道で結ばれています。車両は南海時代からの電車。 |