(つづき)香住駅に到着し、代行バスの確認をするも、手配が出来ていないらしく、駅本屋の待合室は足止めされた大勢の乗客たちで溢れていました。後続の特急「はまかぜ1号」も香住折り返しとなり、「はまかぜ4号」として出発するまでの間、暖房の効いた車内を待合室として開放するとの案内がありました。餘部鉄橋での列車転落事故以来、基準以上の風速を計測した場合は列車の運転を見合わせることが多くなり、すっかり列車代行に慣れているはずと思っていましたが、運転休止から2時間以上経っても手配できないのはお粗末な対応と言われても仕方ありません。外は風雪が次第に強まっており、運転再開のメドも立たず、代行バスの運転も分からない状態では、帰りの時間も気になるためここで引き返すことにしました。ホームにいると冷たい風で顔や耳が痛くなるほどです。建て替え工事前の餘部鉄橋を見ておきたいという気持ちもありましたが、無理をして行く必要もないので、城崎温泉駅まで戻り、駅前の立ち寄り温泉で冷えた体を温めのんびりしようということになりました。東京から夜行を乗り継いで餘部鉄橋を目指してやってきたという2人の鉄ちゃん(鉄道ファン)は、明日までの行程のため運転再開まで待つとのことでした(健闘を祈る!)。城崎まで戻る普通列車から時折見える日本海は、波も高く荒々しい姿となっていました。これでは今日の復旧は難しいかもしれません。餘部鉄橋はこうした自然の猛威に弱いため、列車運行の安定確保を図る目的から建て替えされることになったのですが、すでに鉄橋を渡る特急などの優等列車は、東京発の寝台特急「出雲」の廃止など近年大幅に激減し、今や大阪〜浜坂・鳥取間の特急「はまかぜ」が2往復するだけになっています。大都市と鳥取、島根を結ぶ幹線ルートは智頭急行線や伯備線経由にとってかわられ、普段は短い編成のディーゼルカーが普通列車として行き来するだけとなっています。また、立て替えを機に鉄橋自体が脚光を浴び、産業遺産ともいえるこの鉄橋をひと目見ようと、ファンだけではなく多くの観光客が押し寄せているとも言います。このことは、建て替えを計画した当初の想定とは全く逆の皮肉な結果と言えるでしょう。建て替え工事が済めば、今の鉄橋は取り壊される予定です。建て替えを止める理由はありませんが、今の鉄橋を後世に伝えるべき近代産業遺産として保存活用できれば、但馬地方の地域振興にも役立つのではないかなとあれこれ考えているうちに城崎温泉駅に到着。極上のお湯に浸かりながら至福のひと時を過ごしました。災い転じて福とはこのことかな?(つづく) |