先日、岡山県の津山から鳥取県の智頭まで、キハ28・58気動車による臨時列車(みまさかスローライフ号)が運転されることを知り、早朝から列車を乗り継ぎ出かけてきました。これは、岡山県美作地方の津山線、因美線に残る扇形庫(蒸気機関車の車庫)や転車台、古い駅舎やホーム、珍しい車両などの鉄道遺産を地域の観光資源として活用し、鉄道及び沿線の活性化を目指すことを目的に実施されるイベントの一環として、それらの鉄道遺産を懐かしい旧国鉄のディーゼルカーに乗車しながら巡ることができる列車として運行されたものです。今回が初回から数えて3回目の運行となりました。 私は、当日、まずは柘植駅から草津線で京都へ、京都から岡山までは東海道・山陽新幹線(のぞみ号)を利用します。岡山からは津山線の快速(ことぶき号)で津山へ向いました。津山市は岡山県の北部の中心都市で歴史的建造物などが多数残る小京都としても有名です。県庁所在地の岡山市と津山市を結ぶJR津山線は非電化単線ですが、かつて、鳥取と岡山を結ぶ主要ルートとして、急行「砂丘」号などの優等列車が運行されていた路線でもあります。しかし近年、第3セクターの智頭急行線が智頭〜上郡(兵庫県)間に開業したことで、そのルートからははずれ、現在は中長距離の優等列車は運行されていませんが、岡山と県北の中心都市である津山を結ぶ主要路線として同区間に急行(つやま号)1往復と快速列車が6往復運行され、地域間輸送に機能しています。私の乗車した快速列車はキハ47型2両編成のワンマン運転でしたが、終着まで7〜8割の乗車率であり、ビジネスなどの用務客に需要がある印象でした。普通列車で約1時間半の行程を約1時間で中国地方の山間を縫うように走りますと、やがて津山の町並みが見えてきます。しばらくすると車窓右側に、かつて鉄道の結節点であったことを示す機関区の扇形庫が現れます。その前の留置線には現在運行されている多数の新型気動車たちに混じって、あの懐かしいクリームと朱色のディーゼルカーが佇んでいるのが見えました。(つづく)画像上=津山線快速(ことぶき号)、中=津山駅、下=津山駅構内に残る扇形庫とキハ28,58型 |