先日、久しぶりにぶらりと訪ねた大阪の鉄道模型店で、私を惹き付けた車両がありました。ディスプレイケースに並べられたそれは、2両セットの中古品として売られており、少しパーツの欠品があるものの、HOゲージとしては値も手頃で、試走してみればまあまあ静かで滑らかに動きました。買うかどうか迷いましたが“買いたい”衝動が強く、一晩考えて明日もあるかどうかの保証はありません。まあ大人の買い物としては許せるかな?どうせ酒もタバコも、賭け事もやらないんだから・・・といつもの悪魔のささやきに負けてしまいました。そんなわけで持ち帰ったのが、写真の車両(近鉄12200系スナックカー)です。この車両、実物は結構古く、初代12000系は昭和42年に製造、以来、主に名阪ノンストップ特急として活躍しました。東海道新幹線開業直後で激減した看板の名阪ノンストップ特急に、テコ入れを図る目的で登場した車両で、何と言っても特徴は、スナックカーの愛称の源となった軽食サービス用スナックコーナーを設けていたことでした。模型の先頭部分の大きな窓部がそれです。側面にはsnack carのカッコいいロゴも入ってました。当時、一世を風靡した2代目ビスタカーとともに昭和40〜50年代を駆け抜けた近鉄を代表する名車両といえるでしょう。現在の12200系は、車体更新されており、スナックコーナーや前面の特急マークなどは撤去されてしまいました。今も主力特急車両として活躍していますが、残念ながらこの姿は実物ではもう見ることができません。私と同年代生まれの車両でもあることから、結構親しみのある車両でした。そんな愛着のある鉄道車両をいつまでも手元に残しておけるというのも鉄道模型の楽しみのひとつなのであります。 |