ふとしたきっかけで鉄道趣味の面白さに再び目覚めた。楽しみ方は色々鉄道趣味は奥が深い。私の趣味活動をほんの少し披露し、併せて伊賀地域の鉄道の将来について考えます。
 
2008/10/13 16:58:15|遠征記
山陰本線「快速あまるべマリン号」の旅

秋の行楽日和となった11日、山陰本線浜坂まで、鉄道趣味仲間のtetsuさんにご同行いただき、懐かしい国鉄型車両で辿る日本の原風景と鉄道遺産を訪ねる旅を楽しんできました。当日は、早朝から列車を乗り継ぎ、大阪からは国鉄時代から活躍する181系気動車による「特急はまかぜ1号」に乗車し城崎温泉口を目指しました。はまかぜ号は、大阪から六甲の山並みや須磨の海を見ながら山陽本線を西に向かい、姫路からは向きを変えて播但線を北へ、長閑な山里風景の中を北へ進みます。田圃の収穫が終わった沿線は秋祭りの最中で、至る所でお宮に幟が立ち、神輿を担ぐ人々の姿を見かけることができました。かつてC57型蒸気機関車が3重連で挑んだ生野峠越えでは、強馬力のディーゼルエンジンが唸りを上げ険しい山道を辿ります。山越えを難なくこなすとやがて山陰本線との接続駅和田山に着きます。ここには、SL時代に機関区支区が置かれていたところで、古いレンガ車庫や給水塔が残されており、しばし往時を偲ぶことができました。但馬の中心都市豊岡を過ぎると程なく、文人にも愛された温泉町城崎温泉口に到着です。多くの乗客と共に私達もここで下車し、昼食をとったあと、臨時列車「快速あまるべマリン号」に乗り換えました。マリン号は、今や大変貴重となった国鉄急行型ディーゼルカーキハ28・58型2両を使用した列車です。カラーリングも勿論、クリームと朱色の国鉄急行色です。懐かしいエンジン音を響かせながら、日本海沿岸の小さな漁村をトンネルと鉄橋で繋いでいきます。小さな駅では通過、はたまた運転停車して特急列車と行き違いしたりと、かつて、単線の山陰本線を多数往来したディーゼル急行の趣を体験しながら進むと、カニと景勝で知られた香住海岸が右手に広がり、いよいよ沿線のハイライトである餘部鉄橋に差し掛かります。トンネルを抜け視界が広がると高さ40メートルからの空中散歩です。そばにはクレーンのアームが伸びており、既に架け替え工事が進捗していることが分かります。しかしゴトンゴトンという鉄橋独特の通過音を聞きながら日本海の絶景を望む体験はまだしばらくできそうです。列車は鉄橋を渡りきったすぐの餘部駅に停車。この駅は集落から長い山道を登った所にあり、決して便利ではないものの、周辺住民が資材を運んで建設に寄与したという悲願の駅であったとの話が残っています。餘部駅を出発した列車は、ゆるやかな下り勾配を軽やかに進みます。私は気候の良い時は、キハ58のように窓の開く車両では、いつも窓を大きく開けて、列車が線路を刻む音やディーゼル音、沿線の空気、香りを堪能しながら旅をするのが好きで、今回も同じように五感で楽しみました。やがて列車は終着浜坂に到着。私達は、折り返し、同じ列車で城崎温泉口まで戻り、駅前の温泉施設で休憩し、帰路につきました。鉄分吸収大満足の1日でした。
画像上から 特急はまかぜ1号(大阪駅) キハ58・28型快速あまるベマリン号(城崎温泉口駅) 餘部鉄橋通過中(キハ58乗務員室) 山陰本線を疾走中(キハ58車内から)







2008/10/04 18:24:06|伊賀線のこと
開業1周年を迎えて
伊賀鉄道が10月1日で開業1周年を迎えました。1年が経つのは早いものです。昨年、大手私鉄近鉄から独立し第3セクターを経営母体として船出した新生伊賀線。それはまるで荒波の大海へ漕ぎ出す小船のようだと思っていました。1年を経て変わったことはいくつもあります。良くなったことと併せて新たな課題も浮き彫りになったのではないでしょうか。まず、良くなったこととしては、定期利用者以外の一般利用者の減少が下げ止まり、増加に転じたこと、開業と同時に実施した運賃値上げが功を奏し、約1億円の増収になったこと、年間4億円以上の赤字が2億円台にまで圧縮される見込みであること等など。これらのことは、路線存続が究極の課題である伊賀線にとって大変喜ばしいことです。この1年間、新会社は地元密着型の鉄道として、大型イベント(忍者フェスタ)とのコラボレーションなど今までになかったアイデアで乗客の増加、伊賀線への関心をひく努力がなされてきた結果だと思います。また、伊賀線友の会をはじめとする応援組織、市や地元企業の後押しも大きな力となっています。次に、新たな課題としては、この1年間の好調さは、ある意味、開業ブームに乗った部分もあると思います。さすれば、これからが正念場、この調子を維持しさらに確実なものとすることが試されます。斬新なアイデアで果敢に挑戦することが求められます。私が見る限り、平素の昼間の状態を見れば、空気輸送となっている列車がまだまだ多い現状です。改善の余地はまだまだあるでしょう。今夏から始めた、無人駅での前ドアのみ開閉とする扱いの変更も、確実に車内の料金箱に切符と料金を収受するには至っていません。添乗員がいない時は、乗り降りするドアが1箇所になっただけで、状況は以前と変わらないと思います。JRなどで行なっているように乗務員による努力が必要ではないでしょうか。また線路設備の不具合か、区間によっては相当不快な揺れを感じます。乗客が快適に乗車できるように線路設備改善のための投資を行なうべきと考えます。まあ色々ありますが、なにはともあれ、安全運行については無事に1年を過ごせたことはめでたいこと、課題はこつこつ克服していけるよう、みんなで協力することが何より大切なことですね。







2008/09/21 23:04:16|蒸気機関車
「国鉄時代」という本から
今日は、久しぶりに市内の書店を覗きました。新刊や話題の本にも興味がありますが、ついつい立ち寄ってしまうのが鉄道関係のコーナーです。毎月21日は、有名な「鉄道ファン」や「鉄道ジャーナル」などの月刊雑誌の発売日に当たりますので、それらをひととおり立ち読みして内容を確認、興味のある内容ならひとつ買って帰ろうと思っていましたが、ふと目に留まったのが「国鉄時代」という本です。これは大人向け趣味誌を中心に出版しているネコ・パブリッシングという出版社から、3か月に一度発刊されているマガジンというよりはブックに近い本で、私も過去に何度か買って読んだことがあります。読者などから寄せられた国鉄時代の思い出を綴ったエッセイが懐かしい写真とともに編集されていて結構読み応えがあります。多くは蒸気機関車に憧れて撮影に奔走した若き日の思い出話が多く、何十年も経った今でも、時空を越えて、その時の情景に思いを馳せることができます。今回の特集はC57型蒸気機関車がメインのようです。ぱらぱらとページをめくり、まず私の目を釘付けにしたのは、2ページにわたって掲載されていた、C57が牽く関西本線の夜行急行「大和」の写真です。それも加太の大築堤を登る全編成の美しい写真です。もう少しめくると今度は「D511伊賀路を行く」と題して、梅小路蒸気機関車館で保存されているD51のトップナンバー機が青い12系客車を牽いて紅葉の山間を行く美しいカラー写真がエッセイとともに掲載されていました。これは、蒸気機関車が関西本線から全廃された直後に、湊町(現JR難波)〜伊賀上野・柘植間で運転されたという臨時列車だとのことでした。もうこれだけで、買う価値が十分ありましたが、付録についているDVDには、「伊勢時の汽笛」という紀勢、参宮線で収録した蒸気列車の映像がはいっているとのこと、これは買うしかないと、迷うことなく、この本を手にレジへ向かいました。画像は現在、梅小路蒸気機関車館で保存中のD511号機。これが関西本線に現役復活したら・・・。叶わぬ夢かな。







2008/08/17 13:06:27|遠征記
大糸線の旧型気動車を訪ねて

今年の家族旅行は信州白馬でトレッキングを楽しみました。しかし、悲しいかな、ここ(長野県白馬村、小谷村)まで来たら、大糸線を訪ねたくなるのが鉄の性です。そこで旅行最終日に家族を道連れに南小谷駅から糸魚川駅までの非電化区間を往復してきました。大糸線は一昨年の秋に、撮影と乗車に初めて訪れましたが、もう一度行きたいと思っていた路線ですので私としては丁度良い機会となりました。大糸線は、南小谷駅を境に松本方面が電化区間でJR東日本管轄、糸魚川方面が非電化区間でJR西日本管轄となっており、非電化区間ではJR最古参の旧型気動車(ディーゼルカー)キハ52型が懐かしい旧国鉄色に塗られて活躍しています。1両きりの旧型気動車に揺られながら、風光明媚な車窓を楽しむことができ、また、渓谷美を行く列車は絶好の被写体であることから、全国のJR線の中でも特にお気に入りの路線の一つです。この日は旧盆休みの初日に当たるためか、南小谷駅から乗車した列車は松本方面からの列車から乗り換えた乗客で、いつになく超満員。私以外の家族は何とか座ることができたものの、人の多さに冷房の利きも悪く、少しうんざりした様子。大糸線の印象が悪くなるのを危惧した私は、糸魚川駅からの折り返しの際、おやつや飲み物を買い込んで、ご機嫌を取りました。幸い、折り返し列車は2両の増結運転で、先ほどのような混雑は無く、占領したボックスシートでようやく汽車旅を楽しむことができました。







2008/07/26 11:50:17|伊賀線のこと
伊賀線 ドア扱い変更のこと
うだるような暑さが連日続いています。こんな日はあまり外へは出たくないものですが、子供達にせがまれ、伊賀線の全線乗車に出かけてきました。乗車した日は、この日から無人駅でのドア扱いが先頭車の前よりドアだけに制限されることとなったこともあり、その様子の確認も兼ねて偵察してきました。初日とあって混乱のないようにとの配慮からか、社員1名とシルバー人材センターから派遣された添乗員が2名乗り込んでおり、丁寧な案内と運賃精算に奔走されていました。運転士も車内放送で案内をしており、乗客も大きな戸惑いを感じている風でもなさそうでした。暫らくは、周知のためにこのような態勢をとられるのかなと思います。さて、このような措置に至った最大の要因は、何と言っても不正乗車の防止であろうと思われます。残念なことに私もその現場を目撃したことがあります。若者が無人駅の広小路駅で下車した際、たまたま検札のため添乗していた乗務員に、声を掛けられ、その場で精算することに・・・。ということは、無札で乗車し車内精算をもせずに下車しようとしたということになります。ペナルティの分まで払わされたかどうかは、そこまで見届けませんでしたが、桑町駅などでも運賃箱や駅の切符回収箱に切符を入れないで下車していく乗客の姿を何度も見ています。定期券乗車の方であったかどうかは分かりませんが、残念だったのは、これらをきちんと確認する対応が鉄道側にもなされていなかったことです。きちんと運賃を払って乗車しているお客から見て、不正乗車をする人を会社側が見逃しているというのは何とも不公平に映ります。そういう意味では、今回の措置は、若干の不便はあるものの、良かったのではないかと思います。通常は、唯一の乗務員である運転士のご負担如何ばかりかと思いますが、会社として、しっかりした運賃収受に気を配ってもらいたいと思います。せっかく乗っていただいても運賃を取りこぼしていたのでは話になりませんし、利用する側もモラルのことは勿論、伊賀線の置かれた状況を考えて、“自分達の正しい利用がこの鉄道を守る”という意識をもっと持つべきだと強く思います。暑いのに暑苦しいお話で失礼いたしました。