春風爽やかなこの季節。今年も見頃となった桜と列車のコラボを撮影するため、JR笠置駅周辺に出掛けてきました。午前中はあいにくの花曇の天気でしたが、午後は晴れ間が見え始め、絶好の光線状態で撮影することが出来ました。
笠置駅構内及びその周辺の桜は、ソメイヨシノやヤマザクラが中心で約1000本あると言われています。本日(5日)現在の開花は7分から満開という状況で、休日ともあって大勢の花見客が訪れており、木津川の河原ではバーベキューやキャンプを楽しむ人たちで賑わっていました。
さて、私が毎年訪れる撮影ポイントのひとつが笠置山の中腹です。駅と町並み、木津川を見渡せて、昨年、カメラ雑誌の表紙を飾ったこともある俯瞰ポイントでは、昨年見た以上に雑木の枝が覆ってきており、残念ながらすっきり見通せる範囲は徐々に狭くなりつつあります。それでも、同じ思いで撮影に来られた同業の方たちは、大きな脚立を使ったり、山肌にへばりついたりと苦労しながら撮影を試みられていました。
ここに来て、毎年、思うことですが、河原の大きな駐車場に置かれた沢山のクルマを見ていると、花見のお客さんの大半は関西本線利用ではなくクルマ利用なのだなと分かります。私自身、幼い頃から、何度も列車で来ていたこの場所も、今は家族とクルマで来ることが多くなりました。昔は急行列車の臨時停車や臨時ハイキング号の運転があり、JRに移行直後も加茂〜笠置間の臨時列車が運転されていたと記憶しています。しかし最近はそれもなくなってしまいました。全国さくらの名所100選で鉄道駅の中でも屈指の名所でありながら、関西本線の利用につなげていないのが残念です。京阪神近郊にある貴重な観光資源をJRと沿線自治体などが協力して活かしていく方策を講じるべきではないでしょうか。 撮影していた私達の横で若い女性が“ここにSLが走っていたら絵になるのにね”と言っているのを聞いて、私は、デゴイチが長編成の列車を牽いてこの桜のトンネルをくぐって行く姿を思わず想像してしまいました。
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