毎年この時期にやってくる兵庫県姫路市の小学生を乗せた修学旅行臨時列車(奈良・鳥羽方面行き)が、今年も、関西本線奈良〜亀山間に運転されています。関西本線にはこのような“特別な”列車の運転が珍しいため、久しぶりに、加太越えの定番撮影地(復路姫路行き)と木津川橋梁(往路鳥羽行き)に出撃してきました。
今年は、5月の連休明けから運転が開始されましたが、ご存知のように神戸地区での新型インフルエンザ発生を受け、休校措置をとった小学校の修学旅行も延期されたため、一旦、運休となり、6月に入ってから再開となりました。
しかし、困ったことに当初(5月中)発表された運転予定しか情報がなかったため、撮影に出掛けた日に実際に運転されるのかどうか保証のないままの出撃となりました。 休暇取得の都合上、出掛けられる日が限られるため、駄目でも仕方ないと思いつつ加太〜柘植間にある大築堤の現場に到着すると、大阪から撮影に来られた方がお一人お見えになり、私と同じ思いのようで、前回が運休で今回がリベンジとのこと。無事に本懐を遂げられることを願いつつ一緒に通過予定時刻を待ちました。
やがて、通過時刻が近づき私達に緊張感が漂います。すると程なく、加太の山中に独特のディーゼルサウンドとタイフォン(汽笛)がこだましました。 やれやれ出撃の甲斐ありと安堵するのも束の間、すぐさまカメラを構えて撮影態勢に入ります。そして見えてきた181系特急型気動車6連の雄姿。周囲に響く連写の音、そしてそれをかき消すように重厚なエンジン音を響かせ、列車は私達の前を悠然と走り去っていきました。 私は、このあと、クルマを笠置〜大河原間の橋梁付近に走らせ、明治生まれの鉄橋を渡る鳥羽行きの列車を無事撮影し、満足な撮影行とすることができました。
国鉄時代から続くこの修学旅行列車ですが、以前にも記しましたが、使用されている車両の老朽化、阪神なんば線開業に伴う近鉄の姫路乗り入れ構想から、列車の存続自体が予断を許さない状況になっています。近鉄電車が進出すれば、恐らく、到底勝ち目がないでしょう。しかし、速さや快適さではない汽車旅の良さを体験できるのは、この列車ならではのこと。子供達にとっても貴重な体験になるのではないかと思います。是非、1年でも長く運転されることを願ってやみません。 |