ふとしたきっかけで鉄道趣味の面白さに再び目覚めた。楽しみ方は色々鉄道趣味は奥が深い。私の趣味活動をほんの少し披露し、併せて伊賀地域の鉄道の将来について考えます。
 
2009/06/09 22:56:56|関西本線のこと
修学旅行臨時列車撮影行

 毎年この時期にやってくる兵庫県姫路市の小学生を乗せた修学旅行臨時列車(奈良・鳥羽方面行き)が、今年も、関西本線奈良〜亀山間に運転されています。関西本線にはこのような“特別な”列車の運転が珍しいため、久しぶりに、加太越えの定番撮影地(復路姫路行き)と木津川橋梁(往路鳥羽行き)に出撃してきました。

 今年は、5月の連休明けから運転が開始されましたが、ご存知のように神戸地区での新型インフルエンザ発生を受け、休校措置をとった小学校の修学旅行も延期されたため、一旦、運休となり、6月に入ってから再開となりました。

 しかし、困ったことに当初(5月中)発表された運転予定しか情報がなかったため、撮影に出掛けた日に実際に運転されるのかどうか保証のないままの出撃となりました。
 休暇取得の都合上、出掛けられる日が限られるため、駄目でも仕方ないと思いつつ加太〜柘植間にある大築堤の現場に到着すると、大阪から撮影に来られた方がお一人お見えになり、私と同じ思いのようで、前回が運休で今回がリベンジとのこと。無事に本懐を遂げられることを願いつつ一緒に通過予定時刻を待ちました。

 やがて、通過時刻が近づき私達に緊張感が漂います。すると程なく、加太の山中に独特のディーゼルサウンドとタイフォン(汽笛)がこだましました。
やれやれ出撃の甲斐ありと安堵するのも束の間、すぐさまカメラを構えて撮影態勢に入ります。そして見えてきた181系特急型気動車6連の雄姿。周囲に響く連写の音、そしてそれをかき消すように重厚なエンジン音を響かせ、列車は私達の前を悠然と走り去っていきました。
 
 私は、このあと、クルマを笠置〜大河原間の橋梁付近に走らせ、明治生まれの鉄橋を渡る鳥羽行きの列車を無事撮影し、満足な撮影行とすることができました。

 国鉄時代から続くこの修学旅行列車ですが、以前にも記しましたが、使用されている車両の老朽化、阪神なんば線開業に伴う近鉄の姫路乗り入れ構想から、列車の存続自体が予断を許さない状況になっています。近鉄電車が進出すれば、恐らく、到底勝ち目がないでしょう。しかし、速さや快適さではない汽車旅の良さを体験できるのは、この列車ならではのこと。子供達にとっても貴重な体験になるのではないかと思います。是非、1年でも長く運転されることを願ってやみません。 







2009/05/29 17:10:33|撮影日記
フィルムカメラの楽しみ

 先週土曜日の午後、思ったよりも天気が良いのでお気に入りのフィルムカメラを持って伊賀線の上林大池付近へ撮影に行ってきました。私はもっぱら、鉄道写真の撮影には流行のデジタル一眼レフカメラを愛用していますが、フィルム一眼レフカメラも数台所有していて、たまにのんびりした撮影を楽しむときはこれらのフィルムカメラを使用しています。この中には、中学生の頃に親に無理を言って買って貰った大切な1台や大学受験で無事合格し、自分へのご褒美として買った思い出の1台など今でも手放せないでいるものがあります。そこに昨年、大阪の中古カメラ店で見つけた1台のカメラがあります。

 そのカメラとはアサヒペンタックスがリリースしていたLXという機種です。私の所有するフィルムカメラは、ペンタックスのものが多いのですが、その理由として、学生時代に写真部に籍を置いていて、ペンタックス機に共通の小型軽量で使いやすいというのが自分の撮影用途に合っていて、特に動体の撮影では非常に重宝していたからというのがあります。そんなペンタックス機の中で高級機として発売されていたのがこのLXだったのです。この機種は、丁度、私が高校生の頃に発売され、機能やデザインから非常に優れた機種とされ、当時でも10万円以上の値段がしたと思います。当然ながら、学生の身分では高嶺の花で、とても手が出るものではなく、ただ憧れるだけのカメラでした。

 その後、鉄道趣味や写真撮影からも遠ざかっていた間はこのカメラのこともすっかり忘れてしまっていたのですが、再び鉄道写真を撮るようになって、ふと覗いたカメラ屋さんでこれを見付けることができ、かつての憧れを現実のものにしてしまったというわけです。製造開始から20年以上経っていることから、既に新品は絶版となっていて、もはや貴重なものとなったようです。

 古いカメラであるため、オートフォーカスの機能もなく、ピントを手動で合わせて、露出やシャッタースピードを自分で決めて撮る必要があります。連写機能のあるデジタル一眼レフカメラなら、何枚も撮った中から良いものを選べますが、これで撮るときはそうはいきません。しかし、そんなアナログなカメラで会心の一枚を撮る努力をすることはまた楽しみでもあります。
 最新機種のように酷使に耐えそうにありませんが、今後は近場において、伊賀の風景と伊賀線をテーマにこのカメラで撮り歩こうと思っています。
画像上=愛用のペンタックスLX(キハ58車内にて)、下=餘部鉄橋を行く特急「はまかぜ号」(LXでの撮影ではありません。)







2009/05/05 22:49:05|伊賀線のこと
伊賀線まつり
 忍者フェスタ期間中、伊賀市上野市街地では忍者姿に扮した多くの観光客で賑わいます。イベントには伊賀鉄道も協賛して、地域おこしに一役買っていただいています。
そのような中、3日には上野市駅構内の上野市車庫で「伊賀線まつり」が開催されました。

 昨年に続き、今年で2回目となるこのイベントですが、忍者フェスタの関連イベントということもあり、この種のイベントにありがちな必ずしも鉄道ファンのためのイベントではないようです。

 内容は、車両の公開(マルーン塗装車)、撮影会、関連グッズ及び鉄道部品の販売、、車庫見学会、鉄道模型運転会、忍太・しのぶ・いがグリオが乗る「ゆるキャラ列車」、クイズ列車の運行などなど。毎年レギュラーなものもあれば趣向を凝らした新しい内容のものもあり盛りだくさんでした。

 本当は、午前10時からの物販会に行きたかったのですが、前日の大井川鉄道からの帰還が遅く、疲れが残っていたので、午後から子供を連れて会場を覗きました。
 会場に着くと丁度、撮影会が行われていたところで、2月に旧奈良線時代のマルーン色に塗装変更された車両に、懐かしい行き先板など色々な看板を取っかえひっかえしているところでした。
それを見た愚息は、カメラを取り出し脇目も振らず撮影をはじめました。わが子ながら何となく嬉しいやら末恐ろしいやら。

 個人的には、室内で展示されていた、伊賀線の沿線風景をモチーフにしたNゲージジオラマが良かったです。特に桑町駅や丸山駅の模型などはとても良く出来ていました。
 車両は、先日、上野市駅などで限定販売された鉄道コレクション「伊賀鉄道860系」を動力化改造したもので、赤忍者編成やマルーン色に改造されたものもあり、ジオラマの中を本物そっくりに走行する姿に、訪れたちびっ子や大人達の目を釘付けにしていました。
 そういえば、この860系模型も会場で販売されており、1月に即完売となってしまい買いそびれた方で今回手に入れることができた方も多かったのではないでしょうか?
 
 関連グッズでは、地元銘菓のかたやきせんべいを、その昔伊賀線の信号機が自動化されるまで使用されていたタブレットと呼ばれる通行票を模して作られた「タブレットかたやき」や電車を模した箱に入れられた「いがてつ飴ちゃん」などユニークなものが多くアイデアの豊富なことに頭が下がります。

 近鉄時代には考えられなかったこのようなイベント。伊賀線の利用促進や関心を寄せてもらうよい機会になったことと思います。これからも伊賀鉄道や伊賀鉄道友の会の更なる取り組みに期待したいと思います。







2009/05/05 14:48:22|遠征記
旅の魅力満載。大井川鉄道へ親子旅

 連休初日の2日、息子を連れて大井川鉄道への旅に出かけてきました。

 今回は、日帰りの強行軍でしたが、SL列車の乗車と井川線のトロッコ列車、日本で唯一のアプト区間の乗車も行い、往復で合わせて12種類の列車に乗るという親子ともども大変疲れながらも乗り鉄三昧の大満足な1日となりました。
 
 大井川鉄道は、国鉄の蒸気機関車全廃後、最も早く蒸気機関車による列車を復活させた鉄道会社であり、最近、各地で行われている復活蒸気の先駆的な存在として有名で、蒸気機関車のみならず、牽引される客車も昭和初期に製造された旧型客車を保存、運行しており、当時の鉄道による旅の雰囲気そのままに味わえるのが魅力になっています。

 私はここへ来ると必ず客車の窓をいっぱいに開けて、蒸気機関車の煙の匂いを嗅ぎ、客車がレールを刻む音や時折聞こえる汽笛を聞きながら、車内で食べる地元産の弁当に舌鼓を打つ、五感で感じる旅を楽しみます。そんな旅をしたくて、ここ5〜6年、年に1度は子供を連れて乗りに来るようになりました。
 
 また、四季折々に織り成す日本の原風景ともいえる沿線風景も惹きつけるものがあります。
 私たちが訪れた日は、山々の新緑が眩しく、車窓に広がる茶畑では丁度、新茶の摘み取りが行われており、作業する農家の人たちが精を出す姿があちこちで見られました。金谷あたりの下流ではゆったりと流れる大井川も、井川線沿線周辺の上流に近づくにつれて渓谷の美しさに変わり、南アルプスを源流とする清流をたたえた優雅な流れに心が洗われる気がします。

 テレビや映画のロケでもお馴染みになった大井川鉄道、速さや快適さだけではない旅の魅力がいっぱい詰まっています。経営的には大変な苦労があるかもしれませんが、いつまでもこの姿で頑張ってもらえるよう応援していきたいと思います。

画像上から、戦時中タイへ送られ活躍していた頃の姿に復元されたC56型蒸気機関車、茶畑が広がる車窓、井川線のトロッコ列車(急勾配の区間では、レールの間に敷かれたラックレールに歯車を噛ませて登るアプト式電気機関車が押します。)、井川線のアプト区間(通常の鉄道では日本一の急勾配です。)







2009/05/05 13:17:20|撮影日記
餘部鉄橋訪問記
 春の陽気に誘われて・・・というわけでもなかったのですが、色々ストレスが溜まっていたこともあって、ひとり列車を乗り継いで山陰本線の餘部まで出掛けてきました。

 当日は、雲ひとつない快晴の上天気で、伊賀では、そろそろ散り始めた桜も山陰地方では、まだ十分に花を付けており、絶好のお出かけ日和となりました。

 大阪から、未だ乗車したことがない福知山線を経由し、豊岡で、この日、臨時に運転される旧国鉄のディーゼルカーキハ58・28型による快速列車に乗車しました。実は昨年11月以来2度目です。かつては、地元関西本線でも当たり前に見られたこの車両、近くで会えなくなってからの方が、よく追っかけている気がします。今は一番お気に入りかもしれません。もう日本中探しても定期的に走るものはなく、全廃されるのも時間の問題だと思われます。魅力はと申しますと、何といっても、JRの新型車両にはない、汽車らしさでしょうか。古臭いデザイン、使い込まれた車内、エンジンの音・・・。どれをとっても懐かしい国鉄の雰囲気があるところですね。

 さて、そんな列車に揺られて降り立ったのは、有名な餘部鉄橋のある餘部駅。コンクリート橋への架け替え工事が進捗していて巨大なクレーンが景観を損ねていますが、今はそれも致し方なく、それでも産業文化遺産ともいえる鉄橋を見れるのもあと僅かな時間とあって、見学者らしき人たちが結構お見えになります。
 橋を下から見上げれば、頑丈な鉄骨で複雑に組まれた構造に圧倒されます。これが明治時代に作られたとは思えない立派な橋だとつくづく感心させられます。
 
 日本海の青く澄んだ海、日本の原風景とも言える漁村の佇まい、そこに溶け込んだ餘部鉄橋。何度も訪れたくなる景色です。
 橋が架け替えられれば、また違った風景が広がるのでしょう。 それもまた楽しみでもあります。
 
 私は間もなく消えるこの鉄橋とそこを渡る旧国鉄の車両を記録するべくカメラを構えました。