三重県内を通るJR線として、関西本線とともに馴染みのある紀勢本線は、全線開通して今年で50年を迎えました。紀勢本線は亀山駅を起点に紀伊半島をぐるりと周り和歌山市駅までを結ぶ全長384.2Kmの幹線ですが、三重県側の三木里〜新鹿間が1959年7月15日に開通しようやく全線開通したものです。国鉄民営化以後は、和歌山県の新宮駅を境に東側がJR東海、西側をJR西日本が管理し、国鉄時代には、特急「くろしお」号などが紀勢本線を経由し名古屋〜天王寺間を結んだこともがあるものの、今は全線を直通する列車はありません。新宮駅以東が単線非電化、以西が電化(一部複線)路線という違いはあるものの、いずれも南紀の海岸沿いや熊野の山岳地帯を走る風光明媚な路線として人気があります。 そのような紀勢本線の全通50周年をお祝いするイベントが、今年の夏頃からはじまり、開通記念日の7月15日に、亀山駅から和歌山県の白浜駅まで直通臨時列車が運行されたり、JR2社の団体列車による紀伊半島一周ツアーが催されるなど、沿線はお祝いムードに包まれました。 そして、それらのイベントの最後を飾る企画が、先日のシルバーウイーク期間中に行われました。 ファイナルイベントの一つは、新宮駅から亀山駅までJR西日本の181系気動車を使用した急行「紀勢本線全通50周年ファイナル」号の運転と新宮駅、亀山駅の両駅で行われたファイナルイベントです。 このうち、私は亀山駅でのイベントの様子を観察してきました。亀山駅でのイベントの目玉は、前述の臨時急行に使用された181系気動車、JR東海の総合検測車(ドクターカー)の展示と駅前広場でのステージイベントや物販会でした。2日の開会期間中は大勢の人で賑わったようで、私がお邪魔した初日の朝も多数の来場者でごった返していました。 最近は、近辺でこのようなイベントは少なく、10数年前に開かれた関西本線の全通100周年イベント以来ではないかと思います。 紀勢本線も沿線の少子高齢化の進展や並行する高速道路の延伸により、その立場が厳しい現実がありますが、沿線地域と路線の活性化を図り、いつまでも愛される路線としてあり続けて欲しいと願います。 画像上から、亀山駅に展示中の181系気動車(車内見学もできました。)、JR東海のドクターカー、臨時急行「紀勢本線全通50周年ファイナル」号ヘッドマーク、臨時急行用181系気動車の回送列車(柘植駅) |