ふとしたきっかけで鉄道趣味の面白さに再び目覚めた。楽しみ方は色々鉄道趣味は奥が深い。私の趣味活動をほんの少し披露し、併せて伊賀地域の鉄道の将来について考えます。
 
2009/10/02 23:52:33|遠征記
紀勢本線全通50周年

 三重県内を通るJR線として、関西本線とともに馴染みのある紀勢本線は、全線開通して今年で50年を迎えました。紀勢本線は亀山駅を起点に紀伊半島をぐるりと周り和歌山市駅までを結ぶ全長384.2Kmの幹線ですが、三重県側の三木里〜新鹿間が1959年7月15日に開通しようやく全線開通したものです。国鉄民営化以後は、和歌山県の新宮駅を境に東側がJR東海、西側をJR西日本が管理し、国鉄時代には、特急「くろしお」号などが紀勢本線を経由し名古屋〜天王寺間を結んだこともがあるものの、今は全線を直通する列車はありません。新宮駅以東が単線非電化、以西が電化(一部複線)路線という違いはあるものの、いずれも南紀の海岸沿いや熊野の山岳地帯を走る風光明媚な路線として人気があります。
 そのような紀勢本線の全通50周年をお祝いするイベントが、今年の夏頃からはじまり、開通記念日の7月15日に、亀山駅から和歌山県の白浜駅まで直通臨時列車が運行されたり、JR2社の団体列車による紀伊半島一周ツアーが催されるなど、沿線はお祝いムードに包まれました。
 そして、それらのイベントの最後を飾る企画が、先日のシルバーウイーク期間中に行われました。
 ファイナルイベントの一つは、新宮駅から亀山駅までJR西日本の181系気動車を使用した急行「紀勢本線全通50周年ファイナル」号の運転と新宮駅、亀山駅の両駅で行われたファイナルイベントです。
 このうち、私は亀山駅でのイベントの様子を観察してきました。亀山駅でのイベントの目玉は、前述の臨時急行に使用された181系気動車、JR東海の総合検測車(ドクターカー)の展示と駅前広場でのステージイベントや物販会でした。2日の開会期間中は大勢の人で賑わったようで、私がお邪魔した初日の朝も多数の来場者でごった返していました。
 最近は、近辺でこのようなイベントは少なく、10数年前に開かれた関西本線の全通100周年イベント以来ではないかと思います。
 紀勢本線も沿線の少子高齢化の進展や並行する高速道路の延伸により、その立場が厳しい現実がありますが、沿線地域と路線の活性化を図り、いつまでも愛される路線としてあり続けて欲しいと願います。
画像上から、亀山駅に展示中の181系気動車(車内見学もできました。)、JR東海のドクターカー、臨時急行「紀勢本線全通50周年ファイナル」号ヘッドマーク、臨時急行用181系気動車の回送列車(柘植駅)







2009/09/28 23:03:55|蒸気機関車
明治生まれの蒸気機関車を訪ねて

 シルバーウイークと呼ばれた9月の5連休初日、子供達を連れて久しぶりに京都の梅小路蒸気機関車館に行って来ました。丁度、京都市美術館で開催中のルーブル美術館展を家族で見に行くついでに立ち寄ったものです。私にとってはどちらが“ついで”か分かりませんが・・・。
 梅小路に立ち寄ったのは、単に生の蒸気機関車を見たかったからではありません。19両目の新入りが来たとの情報を得たため、一度そのお姿を拝もうと思ったからです。
 新入りとは言うものの、生まれは明治34年、御歳108歳のご老体です。梅小路の機関車の中では最もご高齢で、あのデゴイチやシロク二ですら、この機関車からすればまるで子どもか孫のようなものです。
 その機関車とは、お名前を1070型1080号といい、お馴染みのCだのDだのが頭に付きません。イギリスから輸入され、官設(国鉄)鉄道の東海道本線で主に急行列車を牽引しました。
 もともとはD9型651号と名乗ったそうですが、大正時代に炭水車(石炭と水を積載した牽引車)を外したタンク型に改造され今の姿になったそうです。国鉄線で長らく活躍した後、日鉄鉱業という会社の私有機関車となり、専用線で鉄鉱石などを運び、国鉄から蒸気機関車が全廃された後の昭和54年まで現役で働きました。その後も解体されることなく、専用車庫で保管され、今回、梅小路蒸気機関車館にお輿入りとなったものです。
 この1080号の入館で、梅小路にはデゴイチなどの昭和生まれ、ハチロク(8600型)やキューロク(9600型)などの大正生まれに加えて初めて明治生まれの機関車が揃うことになりました。もとより蒸気機関車は産業文化遺産としての価値があります。それが明治、大正、昭和の3代にわたって製作された機関車が一つの施設に、しかも現役さながらの美しい姿で保存されることは非常に意義があることだと思います。
 この日は、特別に庫の外に展示されており、初秋の爽やかな晴天の下で一層美しく見ることができました。願わくば、近い将来、動態復元がされ、力強く走る姿を見たいものです。
画像上から、1080号機サイドビュー(艶を抑えた塗装が渋い印象です。)、1080号機正面(端正な表情です。)、スワローエンゼルC622号機&1号機重連展示(今日ばかりは脇役)、D51200号機(構内運転のスティーム号の牽引に活躍していました。) 







2009/09/10 22:34:56|鉄道模型その他
奈良の新名所

 ゆっくり飲食をしながら鉄道模型のジオラマを見る。模型鉄な人(鉄道模型趣味の人)ならたまらないひと時を過ごせるに違いありません。

 最近は、密かな鉄道ブームとあって、東京の銀座や大阪など都市部にジオラマ付きのバーが大人達の隠れ家となっていると聞きます。これらの多くは、博物館に負けないくらいの大きなジオラマを店内に備え、それを囲むようにカウンターと座席があって、客は食事をしながら又はお酒を飲みながら、目の前を走る列車を眺めるという趣向のもので、自前の模型を持ち込んで運転を楽しんだり、ボトルキープならぬモデルキープして仕事帰りにお気に入りの模型を走らせながらグラスを傾けるという楽しみもあるようです。

 そんな環境が近くにあったら、さぞかし仕事の悩みも癒されて心の病も寄せ付けないだろうと思っていましたら、お隣の奈良にも出来たというので喜び勇んで出かけてきました。
 
 場所は、あの奈良の大仏様が鎮座する東大寺の門前に出来た「ふれあい回廊夢しるべ風しるべ」という商業施設の中で、鉄道ジオラマビュッフェ「シルクロードの終着駅」というお店です。実物の鉄道信号機を目印に、改札口を模した玄関を入ると、左がNゲージ、右がHOゲージのジオラマコーナーに分かれており、どちらも相当大きな規模です。地元奈良をテーマにした風景が広がっており、照明の操作で朝昼夜の演出もあります。私は、HOゲージコーナーで、食事をしながら、持参した車両(C62型蒸気列車、キハ81型ディーセル特急)の運転を楽しみました。
 
 目の前を疾走する模型を見ていると時間が経つのも忘れ、嫌なことも忘れ去って心がリフレッシュするのが分かります。普段は狭いお座敷レイアウトの中でしか走らない私の模型達も大きなジオラマの中ではいきいきとして見えます。
 伊賀からクルマでわずか60分の距離。自分自身の癒しの場、隠れ家として通いたいスポットです。







2009/09/03 23:41:39|伊賀線のこと
伊賀線新型車両決定?
 8月某日の新聞報道等に、伊賀線の現行860系車両の後継車両についてイラスト入りで報じられていました。
 それによると、新しく導入される車両は、関東私鉄で使用されていたもので、まず、今年度に2両×2編成が入線し、再来年度までに全て置き換えられるというものでした。イラストは新たにデザインされた忍者くの一のラッピングを施した絵となっていましたが、注目のベース車両は、このブログにおいて、以前に予想していたとおり、東急電鉄の1000系車両であることが確認できました。勿論、記事には具体的にどこの車両であるかの記述はありませんでしたが、イラストどおりであるならばほぼ間違いないと思います。
 近鉄グループの伊賀鉄道になぜ、関東の大手私鉄で使用された車両が導入されるのか不思議に思われる向きも多いかもしれません。現在の860系やその先代の5000系も近鉄本線などで活躍した車両を転属させたものですから、今回も親会社から譲り受けるのが常道であると考えるのですが、果たしてその理由は何か?近鉄に、子会社に譲渡する車両がない訳がないのですが、大きな理由は、伊賀線に存在する急曲線が近鉄が保有する標準的な車両を拒んでいるからなのです。特に上野市〜広小路間の曲線は、今や1両の長さが20メートルもある近鉄の標準車は走行することができないのです。ならば、伊賀線でも走行できるサイズの車両を新造すれば良い、又は急曲線を改良すれば良いのではないかと思いますが、厳しい経営事情を考えると大きな投資はリスクが大きい。ならば、車両のサイズも経営上のサイズもピタリと合う最適な中古車両を探した結果、それが関東の東急にあったと、こういう訳だと推測します。
 報道などによると2両1編成で約1億円ということですので、新造する場合の約半分程度の購入費用でしょうし、中古車両と言っても、東急1000系なら10数年程度の車齢ですから、鉄道車両ではまだまだ新しい部類に入ります。また、性能、設備面でも例えば乗り心地を良くする台車(ボルスタレス台車)を備えているなど決して最新車両にひけをとらないものだと思います。加えて導入費用に国、県、市の補助がありますので、事業者としての負担は少なくて済みます。こうしたメリットを勘案した結果の選択であったと考えられます。
 この辺りの鉄道では珍しい、東京生まれの東京育ちの電車が伊賀の地で新たな活躍をする、言わば都会のお嬢さんが伊賀に嫁ぐことになるわけです。都会のお嬢さんの目に、一体、この伊賀の地がどのように映るのか想像するだけでワクワクします。伊賀鉄道活性化の救世主として沢山の乗客を都会からも呼んで欲しい、そんな期待をせずにはいられません。初導入の編成が走り始めるのは今年12月とのこと、乗ること自体が楽しくなるような仕様になるそうです。大きなクリスマスプレゼントを今から楽しみに待つことにしたいと思います。








2009/08/18 23:34:06|伊賀線のこと
レトロトレイン出発進行!その2
8月8日に伊賀鉄道に登場した、昭和30年代のレトロ塗装編成は、上野市車庫でのお披露目イベントの後、上野市〜伊賀神戸間を臨時運転しました。この際、当時の行き先板を復刻し編成の前後に取り付ける演出もあり、猪田道駅と丸山駅では、同じく懐かしい行き先板を付けたマルーン編成との行き違いも見られました。このことは、事前に告知されていたこともあって、珍しい2ショットを収めようと多くの撮影者で賑わいました。

この臨時運転と翌9日午後の通常運行では、懐かしい吊り広告が飾られた車内に「昭和ハウス」さんによる駄菓子や瓶ジュースなどの販売コーナーが設けられ、店主自ら売り歩きをされて乗り合わせた親子連れが買い求めるなど人気を博していました。

昭和レトロをテーマにした今回の取り組みは、伊賀鉄道の沿線そのものが昭和にタイムスリップした情景そのものであることから正に的を得たものであったのではないでしょうか?是非、今後も継続して実施して欲しいと思います。

夏休みも残りあと僅かになりましたが、このレトロ電車に乗って、上野市街地など沿線に残る昭和レトロなスポットを訪ね歩くのも一興だと思います。

画像左=臨時運行で上林大池付近を行くレトロ編成 画像中央=猪田道駅でマルーン車との行き違いの様子 画像右=イベントで試乗会が行なわれた軌道自転車、廃線になった有田鉄道から貸与されたものとのことです。>