ふとしたきっかけで鉄道趣味の面白さに再び目覚めた。楽しみ方は色々鉄道趣味は奥が深い。私の趣味活動をほんの少し披露し、併せて伊賀地域の鉄道の将来について考えます。
 
2010/05/23 15:44:41|関西本線のこと
平城遷都記念 臨時特急「まほろば号」運行
今年は平城遷都1300年ということで、これを記念して奈良市では様々な行事が繰り広げられており、沢山の観光客で賑わい盛り上がりを見せています。公式マスコットキャラクターの「せんとくん」はその容姿から世間を驚かせたこともありましたが、今ではすっかり定着し、物議を醸した事がかえってイベントを周知することにつながったようです。

 我々鉄道好きの興味で言えば、この一大イベントに地元鉄道会社がどのような観光客輸送を展開するのかということにあったのですが、実は、奈良県は全国のJR線の中で唯一、特急列車が走行しないことで知られており、これは圧倒的な路線網と列車本数で君臨する近鉄が並行している以上、JRに特急運行の必要がなかったと考えることができます。しかし、今回のイベントで、奈良を発着する初めてのJRの特急列車が期間限定ではありますが誕生し、イベント期間中の6月末まで運行しているとのことで、久しぶりに休日となった土曜日、撮影を兼ねて乗車してきました。
 
 「まほろば」号は土・日・休日限定の1往復運転で、新大阪から梅田貨物線、大阪環状線、関西本線を経由し、途中、天王寺、王寺、法隆寺に停車し奈良まで1時間弱で結んでいます。車両は国鉄特急色の381系の6両編成で、紀勢本線の特急「くろしお号」などに使用される車両です。既に相当年季が入った車両ですが、私好みの懐かしい国鉄型車両であり、沿線では珍しさも手伝って沢山の撮影者を見ることができました。さて、ご利用状況としては、私が乗車した夕方の復路となる新大阪行きには指定席で半分程度、自由席はもう少し多い感じの状態でした。新大阪で新幹線やその他の在来線特急との乗継客を意識しているためどちらかと言えば遠距離利用者の便を図っていると考えられます。乗車促進のサービスとしては、グループ割引の特急料金の設定や記念乗車券の配布、お土産のプレゼント(抽選)があり、奈良〜王寺間では「せんとくん」の挨拶廻りがあるという力の入れようです。
 1300年祭のメイン会場がJR奈良駅から離れており(近鉄西大寺駅周辺)、近鉄線が有利との見方もできますが、新大阪に直結できる有利性を生かした今回の臨時運行であり、結果次第では今後の継続運行に望みをつなぐことができるかもしれません。奈良は京都にくらべ観光都市としての立ち位置が弱いイメージがあるため、これを契機にJRと協働して、「万葉まほろば線」と愛称を付けた桜井線沿線の地域ともあわせて活性化できるよう努めるべきではないでしょうか。
 
 ただ惜しむらくは、関西本線を活用した名古屋発の列車設定がなかったことです。JR同士の連携の難しさなどがあるのでしょうが、名古屋〜奈良間を結んだ伝統の急行「かすが号」が廃止されたのみならず、普通列車の亀山接続も最悪の状態であり、すっかり中京方面とは縁が切れた感があります。反面、近鉄は遠回りでも休日限定で名古屋〜西大寺間に臨時特急を運行しており、関西本線が名古屋〜奈良間の最短ルートであるという有利性を生かしていません。今回のイベントをテコにJR西、東海両社が連携し需要の喚起がなされなかったのが非常に残念でなりません。(画像=高架が完成した奈良駅に進入する臨時特急「まほろば号」と表示幕







2010/05/13 22:19:31|関西本線のこと
修学旅行臨時列車の季節到来
 今年もゴールデンウイーク明けの6日から、兵庫県姫路地区の小学生を乗せた修学旅行集約臨時列車が関西本線を走り始めました。
 この列車に使われている181系特急型ディーゼル気動車は大阪〜鳥取間に運転されている特急列車「はまかぜ」号として運用されているのですが、来年春に新型車両に置き換えが決定しており、同車両が完全引退すると、この修学旅行列車が来年以降も存続するかどうかは微妙なところです。
 普段は、短い編成の普通列車が行き交うだけで、特急や急行列車が運行されなくなって既に久しい関西本線(山線)ですが、旧国鉄型の特急列車然とした風格が漂うこの列車が走る一瞬が、関西本線が“本線”であったことを思い起こさせてくれます。
 阪神〜近鉄を結ぶ阪神なんば線が開業し、姫路〜鳥羽間がJRに代替できることを考えれば、今の姿がいつまで続くともわかりません。
 しかし、今後もこの列車が関西本線に運行され、大勢の小学生達の思い出を運んでくれることを願って、これからも機会を見つけては記録していきたいと思っています。(画像左=関〜加太間にて、右=柘植〜新堂間にて)







2010/05/04 15:30:34|伊賀線のこと
2010伊賀線まつり
 ゴールデンウイークの中日となった3日、恒例の伊賀線まつりが伊賀鉄道上野市車庫で開催され沢山の来場者で賑わいました。この連休は連日好天に恵まれ、この日も朝から青空が広がり、汗ばむほどの陽気でしたが、折りしも開催中の伊賀上野忍者フェスタに訪れた忍者姿の観光客らも訪れ、特別ゲストの甲賀流忍者のキャラクター「にんじゃえもん」も加わり、イベントを盛り上げてくれました。
 車両展示では、鉄道ファン向けに、近く引退が決まっている860系が3編成並び、他線の各種行き先板が次々に付け替えられるサービスがありました。駆け付けた大勢のファンが珍しい姿を記録しようと盛んにシャッターを切っていました。
 鉄道模型の体験運転や昨年から登場した軌道自転車の体験運転では順番待ちができるほどの盛況ぶりであったほか、大型鉄道模型を使った庭園鉄道の展示、地場産品、鉄道グッズの販売など盛りだくさんの内容で楽しむことが出来ました。
 午後には伊賀流忍者キャラクターの「にん太くん」と甲賀の「にんじゃえもん」が1日車掌として乗り込んだ「ゆるキャラ列車」が上野市〜伊賀上野間で運転され多くの乗客で賑わいました。
 年を追うごとに充実したイベントに成長してきた「伊賀線まつり」。忍者フェスタとのコラボレーションも相まって、連休中の伊賀線の利用も増えているように思います。自動車ではなく伊賀鉄道で伊賀上野を楽しみに来る人を一人でも増やせられるよう内外にアピールする機会としてこれからも続けて欲しいと思います。(画像=伊賀鉄道上野市車庫にて)
 







2010/05/01 23:37:03|遠征記
新緑の大井川鉄道へ
 ゴールデンウイーク初日の29日、子供達を連れて静岡県にある大井川鉄道へ行ってきました。大井川詣出はここ数年、我が家の恒例行事となっていますが、ここは何度も訪れたいと思う魅力に溢れています。
 この鉄道の魅力は、今もなお現役で活躍する蒸気機関車ということになるのでしょうが、蒸気機関車だけではなく、牽引される旧型客車もひけをとりません。全国でも唯一と言ってもよい昭和初期から活躍する半鋼製の客車達が大切に使われているのです。それらは現代の鉄道車両にあるような決して快適な車両ではありませんが、使い込まれた板張りの床、木枠の窓や椅子など車内の至る所に歴史を刻んだ深い味わいがあります。それに加えて何と言っても日本の原風景とも言える車窓を彩る景色は素晴らしいものがあります。広くゆったりとした大井川の流れ、日本有数の茶処らしく茶畑が窓いっぱいに広がり、懐かしい農山村の風景がそこに息づいています。背景の山々はこの時期、新緑が眩しいくらいに輝き、名物車掌さんが奏でるハーモニカの音色を聴きながら車窓の景色を眺めることは、決して効率性や時間に囚われない、列車に乗ること自体を楽しむ旅であると言えます。
 蒸気機関車が吐き出す煙の匂いを嗅ぎながら、穏やかで和やかな時間を過ごすことができる正に至福の時間。大井川鉄道は私にとっての癒しの空間なのです。







2010/04/25 18:54:30|伊賀線のこと
菜の花鉄道
 最近は寒暖の差が激しく、春らしい天気になかなか恵まれなかったのですが、今日は珍しく爽やかな青空が広がりました。伊賀線沿線には、昨年秋に「花咲かじいさん号」で種蒔きされた菜の花が満開に咲いているとのことで、カメラ片手にぶらりと出掛けてきました。
 撮影ポイントを探しにロケハンすると市部駅や丸山駅、上林駅周辺に休耕田を利用した菜の花畑がまとまっており、黄色の絨毯と列車を絡めて写真を撮るには絶好の被写体となっていました。
 早速、依那古〜丸山駅間で下りの忍者列車を、続いて上林〜比土駅間のポイントに移動し上下の忍者列車を小1時間撮影しました。
 線路脇に蒔かれた菜の花はあまり生えつかなかったようですが、1年ではなかなか思い通りにはいかないようですね。今後も種蒔きを継続してほしいと思います。数年後には線路の両脇の菜の花を揺らしながら走る列車を撮影できるかもしれません。
 まだ暫らくは花が楽しめそうです。是非、伊賀鉄道に乗ってお花見を楽しまれてはどうでしょうか?(画像=伊賀鉄道依那古〜丸山駅間にて)