桜井線には、今もときおり天理教信者が利用する団体臨時列車が運転されます。その中で最も長距離を走ってくるのが、青森からやって来る寝台列車です。数年前にもこの時期に撮影に出かけたことがありますが、「鉄道ダイヤ情報」という雑誌に詳しいダイヤが出ていましたので、夜も明けきらぬ早朝から勇躍、撮影に行ってきました。かつて、正月と言えば、伊勢参りの団体臨時列車の撮影のため、寒さをものともせず関西本線の撮影ポイントを渡り歩いたものですが、最近は全く運転されなくなったため、この時期すっかり引きこもり状態となっていました。桜井線辺りなら地元に準じるエリアですので、土地勘もあり撮影場所を選ぶのも苦にはなりません。 さて、列車通過の約1時間前に撮影ポイントに現着しましたが、すでに10名程度の方がスタンバイされておりました(皆さん熱心ですなあ。)。ところで、最近はこうした撮影場所に来ると、ある変化に気付きます。それは若い女性の方がお見えになることです。以前は鉄道好きといえば男性ばかりというのが定番でしたが、「鉄子」なる言葉があるように女性の鉄道好きも増えているようです。趣味に老若男女の区別はなし、好きなことは誰でも大いに楽しむのが宜しいかと思います。 寒さに耐えて待っていますと、列車接近を知らせる警報機が鳴り出しました。辺りに緊張感がみなぎり、やがて今やここでしか見られなくなったDD51型ディーゼル機関車が牽く青い寝台客車が現れ、周囲にシャッター音の嵐が響きます。時間にして十数秒、この一瞬のために見知らぬ者同士が線路端に集い、同じ目的を果たすのです。「今日は、何か珍しい列車が来るのですか?」と近所の方が声を掛けて下さることもありますが、世間一般の人から見れば奇妙な光景に映っているのでしょうね。 撮影後、このまま帰ってしまうのも惜しいので、天理駅に移動し停車風景と入庫回送を見届け、その2時間後、更にもう1本、3月で消えるであろう181系特急型気動車を使用した団体臨時列車も撮って帰りました。久しぶりに撮り鉄三昧の1日となりました。 |