ふとしたきっかけで鉄道趣味の面白さに再び目覚めた。楽しみ方は色々鉄道趣味は奥が深い。私の趣味活動をほんの少し披露し、併せて伊賀地域の鉄道の将来について考えます。
 
2011/07/21 22:00:18|遠征記
参宮線全通100周年

 参宮線が全通して今日で100周年を迎えました。これを祝して記念列車が運転されるとのことで、急遽休みをとって馳せ参じてきました。
参宮線は、今からちょうど100年前の1911年7月21日、多気〜鳥羽間約21`が全線開通しました。戦前、戦後はお伊勢参りの幹線ルートとして隆盛を極めましたが、並行する近鉄線や道路網の整備で徐々にその座を明け渡し、民営化前は一地方ローカル線として不遇を囲う状態が続きました。しかし、JR化後の近年は、沿線で開催された大型イベント「まつり博三重」や「伊勢神宮式年遷宮」を契機に、伊勢志摩地域への誘客を促進するため、JR東海の積極的な同線の活性化策が講じられ、軌道改良による高速化や近鉄特急に対抗する名古屋〜鳥羽間直通の快速「みえ」の運行開始など、現在では、単線非電化ながら高性能ディーゼルカーによる高速高頻度運行が続けられており、かつての隆盛を髣髴とさせる幹線級路線へと姿を変えつつあります。長引く不況で伊勢志摩地域の観光産業も停滞ぎみではありますが、数年先には伊勢神宮式年遷宮が控えており、これを契機に再び沿線地域が活況を呈するものと思われます。
 参宮線は、関西本線や伊勢鉄道、紀勢本線を経由し、伊勢志摩や伊勢湾岸の主要都市を結んでいますが、今も近鉄線優勢の状況に変わりはありません。しかし、個人的には無謀と思った快速「みえ」の運行は登場から早くも約20年が経ち、今や朝から晩まで毎時運行、全列車4両編成の堂々たるものに成長し、しっかり定着した感があります。これからも多くの観光客に利用され、地域に欠かせぬ交通手段として発展することを願いたいと思います。
 私は、この日限定で販売された参宮線乗り放題切符を活用し、まずは、雨降る中、記念列車を宮川橋梁で撮影。その後、後続列車で追いかけて、多気〜鳥羽間を記念列車に往復乗車、そのまま帰るつもりが最終便も乗車して都合1往復半、この懐かしい色に塗り替えた列車を堪能し、多気駅で購入した駅弁屋「あら竹」の特選松阪牛弁当も美味しく食して大満足の1日を過ごすことができました。







2011/07/02 16:31:56|遠征記
リニア・鉄道館を訪問
 今年3月に名古屋港金城埠頭にオープンした鉄道博物館「リニア・鉄道館」に行ってきました。
 この博物館はJR東海が設置運営するもので、狭軌鉄道で世界最高速度を記録したC62型17号機などのSLから0系などの歴代新幹線車両、2027年の開業が待たれるリニア新幹線実験車両の実物が所狭しと展示され、在来線で活躍した秘蔵の車両も多数並べられています。車内を見学することができる車両も多く、私は中でも、今はもう廃止された新幹線車両の食堂車が印象深く、かつて一度だけ100系新幹線の食堂車でハヤシライスを食べた思い出が甦りました。
 この博物館の目玉は何と言っても鉄道模型の大ジオラマで、車両の多さもさることながら、東京〜名古屋〜大阪間の沿線風景を細密に凝縮しているのには驚かされます。
 また、入場者が抽選で運転ができるシミュレーターは、新幹線、在来線、車掌の3種類があり、私は在来線シミュレーターを楽しむことができましたが、特に新幹線シミュレーターは本物と同じような(同じ?)運転席に全面180度の大スクリーンに映し出される映像を見ながら本物同様の操作ができます。これにはいつか是非、挑戦してみたいと思っています。
 博物館へのアクセスはJR名古屋駅からあおなみ線で終点「金城ふ頭」下車、クルマなら伊勢湾岸自動車道名港中央ICが至近ですが、鉄道博物館には鉄道利用でお出かけください。







2011/05/31 23:39:46|遠征記
大井川鉄道の魅力
 この数年来、5月の連休になると無性に大井川鉄道のSL列車に乗りたくなり、有無を言わさず子供達を連れて出かけていたのですが、今年は休みに用事が多くその機会に恵まれずにいました。しかし、毎年、父親のお供をするうちにすっかりその魅力に憑りつかれたのでしょうか、逆に子供達に連れて行ってほしいとせがまれ、背中を押されるように、連休過ぎのとある休みの日に行ってきました。
 大井川鉄道は、この時期、新緑がとりわけ目に鮮やかで、大井川のゆったりした流れを車窓に見ながら汽車の旅をするのはとても清々しい気分になります。沿線には決して特筆すべきものがあるわけではないのですが、車窓を彩る山々、大井川の流れ、茶畑をはじめとする田園風景、農村集落等々、それらの要素が全体の景観の中で絶妙のバランスを保っています。これらを眺めれば何となくほっとする、心が癒されるような気分になる。それが、ここに日本の原風景があると言われる所以であるのかも知れません。そして、この景観の中に蒸気機関車が牽く列車が走ることこそ、正に日本の原風景を一層引き立てるアイテムであると言え、それも、妙に飾り立てられたものではなく、かつてどこにでも見られたような、普段着姿の列車であることに価値があるといえます。
 加えて忘れてならないのが、SL列車の車内で受けるおもてなしです。専務車掌であるSLおじさん、おばさんの優しく暖かい口調の案内放送やお客さんのリクエストで奏でるハーモニカ演奏、懐かしい歌声などは、決して押しつけがましくなく、乗り合わせた人すべてを笑顔にさせてくれます。
 私にとって、大井川鉄道の魅力は何か?挙げれば枚挙に暇がないのですが、たった一言でいうならば、「他にはない何度でも乗りに来たくなる癒しの鉄道」ということでしょうか。
 そして、今回、思わぬ嬉しいプレゼントがありました。既に10数回も通っているものの一度も見ることができなかった富士山が、帰路のSL列車に乗車中、終点金谷到着直前に見ることができました。子供達にとっては初めて見る富士山の威容で、その神々しい雰囲気に圧倒された様子でした。(画像=左:列車最後部から先頭の機関車を望む。中央:タイから復員したC5644号機。タイ国鉄仕様から日本国鉄仕様に復元された。右:西武鉄道から転入した電気機関車と元南海電鉄ズームカー。大井川鉄道の魅力は、生きた鉄道博物館であるところ
 







2011/05/04 15:28:25|伊賀線のこと
惜別 初代青忍者列車
 5月2日と3日、長らく伊賀線で活躍した初代青忍者列車(861+761)のさよなら運行が実施されました。

 同列車は、伊賀線近代化によって導入された860系を平成9年に漫画家松本零士氏デザインによる忍者塗装が施されたもので、初代は青色を基調にしたデザインに、その後、平成13年には緑色を基調にしたデザインに変えられ現在に至っているものです。200系新車両を用いた新忍者列車が登場するまではピンクのくノ一忍者列車とともに伊賀線の象徴的存在として人気を集めました。この青忍者列車は、最近は定期運用から外れており、2月に伊賀鉄道友の会総会で臨時列車として運行してからは上野市駅構内に留置されていましたが、恒例の「伊賀線まつり」が開催されるのに合わせて、さよなら運転が計画されたものです。

 3日は早朝から夕方まで、さよなら列車を記す系統板を掲げて定期運用に入り、折しも伊賀市上野市街地で開催中の「忍者フェスタ」に訪れる多数の観光客の輸送に当たりました。私も朝から子供と一緒にお名残乗車をしてきましたが、沿線には最終運行を撮影しようとカメラを構える多くのファンの姿や、偶然に乗車した乗客の中にもさよなら運行を伝える車内掲示を感慨深く見入る人をみることができました。暫く休車状態であったものの車内は比較的綺麗に保たれており、まだまだ活躍できそうな感じもありますが、台車に至っては経年50年を超えており、数年前に致命的な亀裂があることが発覚し修理のために運休を余儀なくされるという事態もありました。子供が、引退したらどうなるの?と問うので、解体されるかなと答えると、大井川鉄道で走ればいいのにと言ってました。新天地での復活は望むべくもありませんが、静態保存ぐらいはできないものかと思ってしまいます。

 新車両200系の台頭により、860系はこの青忍者列車を含め残り4編成となり、定期運用に就くのはマルーン(赤)と緑のレトロ編成2本のみとなりました。これらの活躍も残すところあと1年程度かと思われます。200系に比べれば不快にさえ思えたあの独特の揺れも次第にいとおしく思えてくるのが不思議です。かつて、近鉄奈良線の特急などで活躍した時代を含めれば約半世紀という長い間、都市間輸送や地域輸送に貢献してきた輝かしい実績に思いを馳せながら、最後の日まで無事に運行ができるよう見届けていきたいものです。







2011/04/26 15:25:56|伊賀線のこと
伊賀線新車第4編成
 伊賀線の新車両はすでに4編成が導入され運用に就いていますが、平成22年度に導入された2編成は、企業がスポンサーになって伊賀の風物を紹介するラッピングが施されています。

 3月末に導入された第4編成は、860系時代にも存在した三重県内の某企業の全面ラッピングとなっていますが、今回のラッピングは、会社名を控えめにした可愛らしいデザインとなっており、なかなか好感が持てます。また、車内に据え付けられたクロスシートは他の3編成同様、転換機能はありませんが、これまでのものに比べて座面が柔らかくとても座り心地が良いものになっています。

 伊賀線の新車両は、ラッピングの違いなど外装の違いもさることながら、よく見れば、運転室のある前面の形状が前後で違ったり、4編成とも同じものはありません。同じ東急電鉄1000系を改造した車両ですが、それぞれに個性があり、実際に乗ってみて違いを観察するのも楽しいのではないでしょうか。

 5月3日には上野市車庫で「伊賀線感謝デー」の開催や初代忍者列車のさよなら運転が実施されます(詳細は伊賀鉄道HP参照)。忍者フェスタ期間中ですので、伊賀上野観光を兼ねて伊賀線の魅力に触れてみてはいかがでしょうか。(画像左=新広告ラッピング車、画像右=860系時代の広告ラッピング車)