参宮線が全通して今日で100周年を迎えました。これを祝して記念列車が運転されるとのことで、急遽休みをとって馳せ参じてきました。 参宮線は、今からちょうど100年前の1911年7月21日、多気〜鳥羽間約21`が全線開通しました。戦前、戦後はお伊勢参りの幹線ルートとして隆盛を極めましたが、並行する近鉄線や道路網の整備で徐々にその座を明け渡し、民営化前は一地方ローカル線として不遇を囲う状態が続きました。しかし、JR化後の近年は、沿線で開催された大型イベント「まつり博三重」や「伊勢神宮式年遷宮」を契機に、伊勢志摩地域への誘客を促進するため、JR東海の積極的な同線の活性化策が講じられ、軌道改良による高速化や近鉄特急に対抗する名古屋〜鳥羽間直通の快速「みえ」の運行開始など、現在では、単線非電化ながら高性能ディーゼルカーによる高速高頻度運行が続けられており、かつての隆盛を髣髴とさせる幹線級路線へと姿を変えつつあります。長引く不況で伊勢志摩地域の観光産業も停滞ぎみではありますが、数年先には伊勢神宮式年遷宮が控えており、これを契機に再び沿線地域が活況を呈するものと思われます。 参宮線は、関西本線や伊勢鉄道、紀勢本線を経由し、伊勢志摩や伊勢湾岸の主要都市を結んでいますが、今も近鉄線優勢の状況に変わりはありません。しかし、個人的には無謀と思った快速「みえ」の運行は登場から早くも約20年が経ち、今や朝から晩まで毎時運行、全列車4両編成の堂々たるものに成長し、しっかり定着した感があります。これからも多くの観光客に利用され、地域に欠かせぬ交通手段として発展することを願いたいと思います。 私は、この日限定で販売された参宮線乗り放題切符を活用し、まずは、雨降る中、記念列車を宮川橋梁で撮影。その後、後続列車で追いかけて、多気〜鳥羽間を記念列車に往復乗車、そのまま帰るつもりが最終便も乗車して都合1往復半、この懐かしい色に塗り替えた列車を堪能し、多気駅で購入した駅弁屋「あら竹」の特選松阪牛弁当も美味しく食して大満足の1日を過ごすことができました。 |