関西本線に乗って西に向かうと、いつも気になる方(貴婦人)がいます。その方は細身にして流麗、公園などで佇む方には厚化粧の方が多いのですが、決してそうでなく小綺麗にされています。その姿を見かける時、いつか途中下車して会いに行こうと思うのですが、なかなかタイミングが会いません。 ようやく意を決して、加茂駅を下り、お目当ての貴婦人ことC57型56号機が置かれている方角を目指しました。小さな案内を頼りに5分ほど歩いてたどり着くことができました。列車から見る限りは学校の敷地内にあるのかと思いきや、学校と線路に挟まれた狭い公道沿いにありました。屋根と囲い付きであるのは、長期保存する上で大切なこと、安心感があります。すぐ横に営業線がありますので、設置は加茂駅の構内から側線を使ったのかもしれません。 静態保存機は製造量数の多さからD51が圧倒的に多いと思うのですが、この辺りではC57は非常に珍しいと思います。由緒書きには関西本線で急行列車や特別列車を牽いたとありますから、かつての寝台急行「大和」やお召し列車を牽引したのでしょう。奈良機関区のスター的存在だったと推測します。設置は昭和47年とのこと、もう50年もここにあるのですね。この間、傍らで関西本線の栄枯盛衰をどのように見て、後輩たちにどう声をかけているのか、とても興味深いです。 |