夜が明けきらない糸魚川駅の大糸線用ホームには、始発と2番列車に充当される2両のディーゼルカーがエンジン音を響かせながら停車していました。いずれも型式はキハ52型で、数年前に派手なJRの専用色だったものをファンの強い要望を受けて、同線を管理するJR西日本糸魚川鉄道部が赤と黄色のツートン、朱色一色の国鉄時代の色に塗り替えた車両達です。大糸線にはこのキハ52型が3両活躍しており、塗り替えられていなかった1両もこの11月下旬に、紺とクリームのツートンという昭和30年代前半に見られた国鉄色に変身して登場するとのことらしく、糸魚川鉄道部の粋な計らいに大いに感服する次第となりました。この2両のキハ52型は昭和40年に製造された車両で、山岳線区に対応した2個のエンジンを持ち、主に北陸地方の非電化路線で活躍しました。JR西日本には、今や大糸線で活躍するこの3両しか在籍していません。同型式のグループにあった1個エンジンのキハ20型などは早くに廃車され、もう同社には存在しませんが、強力な2個エンジン車であることが幸いして、長く使用されてきたと言われています。私達は始発の大糸線南小谷行きに乗車するまでの間、カランカランというあの懐かしいディーゼルサウンドを聞きながら色んな角度でバルブ撮影を試みました。そしてふと駅構内の留置線に目をやると、なんとそこには私達ファンの心を揺さぶる車両が暗闇の中に佇んでいたのです。(続く) |