いすみ鉄道への訪問は今回で5回目になりますが、今回は久しぶりに小湊鉄道を経由し房総半島縦断の旅としました。こちらも古いタイプの気動車が活躍しており、のどかな沿線風景と相まって懐かしい雰囲気を味わうことが出来ます。最近は、SLを模したトロッコ列車やJR東日本を引退したキハ40形も導入され新たな魅力が増しています。 私は、始発の五井駅から乗車すべく、早めに出掛けるとすでにホームには多くの人たちが列をなしていました。沿線には養老渓谷などの観光地もあるものの、多くの人は上総中野でいすみ鉄道に乗り換え、キハ28形の惜別乗車又はそれの撮影に赴く人たちでした。今回の引退劇が小湊鉄道にも思わぬ相乗効果を生んでいるようです。 さて、2両編成の気動車に満員の乗客を乗せ、1時間あまり、房総半島の内陸部にある上総中野に向かいました。ここで、いすみ鉄道に乗り換えますが、お目当ての列車まで1時間半を待つことにしました。すぐに接続する大原行き列車で途中の大多喜まで行けば、キハ28形を迎えることが出来ましたが、惜別乗車の人達が多く、恐らく着座することは叶いません。ならば上総中野で折り返しするのを待てば、乗客の入れ替えがあるので、席を確保できると考えたからです。案の定、大多喜からやって来たお目当てのキハ28形は立ち客多数の満員御礼でしたが、上総中野で折り返す列の先頭付近に居たことで、無事好みの位置に席を確保することが出来ました。
上総中野を出発した大原行き急行は2両編成。キハ28形に連なるのは、これまた貴重な国鉄型キハ52形。キハ28形同様、いすみ鉄道再生請負人として就任した前社長の肝煎りで導入された看板車両です。いつもなら、行程のどこかでこの車両にも乗るのですが、今回はキハ28形への惜別目的のため、欲張りません。しかし、次回からこの観光急行はキハ52形の単行運転となるのでしょう、少し寂しくなります。
キハ28形の車内は立っている人もいますが、さほどの混雑でもなく落ち着いた感じでした。走行中は皆さん静かにキハ28形の走りを堪能しているご様子で、停車時間に少し余裕のある駅では撮影のため慌ただしく駆け降りていく人の姿も見られました。 沿線は多くの撮影者がおり、著名なスポットではカメラの砲列といった状況が見られました。(つづく)
※画像上から=キハ28形を先頭に編成された、いすみ鉄道観光急行、上から2枚目=キハ28形の相方キハ52形、こちらはキハ28形より先にいすみ鉄道に導入された。上から三枚目=小湊鉄道オリジナルのキハ200形、キハ28,52形などと同世代の気動車であるが今も小湊鉄道の主力車両。同鉄道はいすみ鉄道のような旧国鉄転換路線ではなく、京成電鉄グループの純粋な民営鉄道だが、旧国鉄ローカル線のような雰囲気がある。