|  4月26、27日の両日、関西本線に普段は見かけない色のキハ120型気動車が走った。関西本線のキハ120型は前面と側面上下に紫色が配されているが、色違いのものを見ることは無い。この日走ったのは、2本の濃淡があるオレンジ色のストライプが巻かれたキハ120型。主に岡山を中心とした地域でみられる色のものである。聞けば、元々亀山の基地に所属し、関西本線で運用されてきたキハ120型の2両が、新たに岡山地域に転属するための試運転だそうだ。珍しい車両が走るとあって、事前情報を得た人たち(私もその一人だが)がこぞって撮影に来られていたが、私は少々複雑な思いだ。
 なぜなら、関西本線用のキハ120型は亀山に確か14両配置されているはず。これは同車が導入されて以来、長らく増減はない。そのうち2両が他地域に異動するということは、輸送量が減って、車両数に余剰が生じていることの証ということだからだ。確かに昼間の多くの時間帯は1両のみの列車が多い。車両数は需要の最大に合わせて配置されるが、全列車2両あるいはごく稀に3両という時もあったが、それを最大とすれば、もうそれだけの車両数を用意する必要はないということだ。路線維持のための課題が取りざたされている中で、今後、他形式の車両が補充されるということはまずないだろう。
 しかも転属していく形式は、貴重なセミクロスシート車の300番台というから余計に悲しい。
 珍しいものを見れたと盛り上がっている場合ではない。これが現実、真剣に考えないと…。
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