去る3月11日に発生した東日本大震災では未曾有の人的、物的被害をもたらし、今なお多くの人が苦難を強いられています。被災された方々にお見舞い申し上げますと共に、一日も早い復興をお祈りいたします。 この震災では、東北新幹線をはじめ、多くの鉄道路線も被災しました。被災した路線の中には、廃線の危機を乗り越え、多くのサポーターに支援されながら運行を続けていた茨城県の「ひたちなか海浜鉄道」もあり、震度6強の揺れに地盤が変形し、軌道に大きな損傷を受けた様子がテレビに映し出されていました。私は数年前に、未だ廃線問題で揺れていた茨城交通時代にここを訪れ、熱心に存続運動を続けられている様子に接したことがあります。その後、現在の新会社に経営移管され、様々な取り組みにより順調に運行が続けられていた矢先に、今回の震災の被害を受けたのです。幸いにも地震発生時に運転中の列車に被害はなく、人的被害は免れましたが、軌道修理に3ヶ月、約2億円の費用がかかるとのことです。全長14キロしかない小私鉄にはあまりにも重い負担であるのは間違いなく、今後、復旧費用の支援を募るとのことです。普段でも経営が苦しい鉄道にとって、災害は予期せぬ大敵です。これまでも復旧を断念し廃線になった鉄道もあります。 しかし、地域住民の大切な移動手段(インフラ)を守り抜くため、この逆境を跳ね除け、完全復旧を成し遂げられるよう切に願っています。 |