ふとしたきっかけで鉄道趣味の面白さに再び目覚めた。楽しみ方は色々鉄道趣味は奥が深い。私の趣味活動をほんの少し披露し、併せて伊賀地域の鉄道の将来について考えます。
 
2011/05/31 23:39:46|遠征記
大井川鉄道の魅力
 この数年来、5月の連休になると無性に大井川鉄道のSL列車に乗りたくなり、有無を言わさず子供達を連れて出かけていたのですが、今年は休みに用事が多くその機会に恵まれずにいました。しかし、毎年、父親のお供をするうちにすっかりその魅力に憑りつかれたのでしょうか、逆に子供達に連れて行ってほしいとせがまれ、背中を押されるように、連休過ぎのとある休みの日に行ってきました。
 大井川鉄道は、この時期、新緑がとりわけ目に鮮やかで、大井川のゆったりした流れを車窓に見ながら汽車の旅をするのはとても清々しい気分になります。沿線には決して特筆すべきものがあるわけではないのですが、車窓を彩る山々、大井川の流れ、茶畑をはじめとする田園風景、農村集落等々、それらの要素が全体の景観の中で絶妙のバランスを保っています。これらを眺めれば何となくほっとする、心が癒されるような気分になる。それが、ここに日本の原風景があると言われる所以であるのかも知れません。そして、この景観の中に蒸気機関車が牽く列車が走ることこそ、正に日本の原風景を一層引き立てるアイテムであると言え、それも、妙に飾り立てられたものではなく、かつてどこにでも見られたような、普段着姿の列車であることに価値があるといえます。
 加えて忘れてならないのが、SL列車の車内で受けるおもてなしです。専務車掌であるSLおじさん、おばさんの優しく暖かい口調の案内放送やお客さんのリクエストで奏でるハーモニカ演奏、懐かしい歌声などは、決して押しつけがましくなく、乗り合わせた人すべてを笑顔にさせてくれます。
 私にとって、大井川鉄道の魅力は何か?挙げれば枚挙に暇がないのですが、たった一言でいうならば、「他にはない何度でも乗りに来たくなる癒しの鉄道」ということでしょうか。
 そして、今回、思わぬ嬉しいプレゼントがありました。既に10数回も通っているものの一度も見ることができなかった富士山が、帰路のSL列車に乗車中、終点金谷到着直前に見ることができました。子供達にとっては初めて見る富士山の威容で、その神々しい雰囲気に圧倒された様子でした。(画像=左:列車最後部から先頭の機関車を望む。中央:タイから復員したC5644号機。タイ国鉄仕様から日本国鉄仕様に復元された。右:西武鉄道から転入した電気機関車と元南海電鉄ズームカー。大井川鉄道の魅力は、生きた鉄道博物館であるところ
 







2011/05/04 15:28:25|伊賀線のこと
惜別 初代青忍者列車
 5月2日と3日、長らく伊賀線で活躍した初代青忍者列車(861+761)のさよなら運行が実施されました。

 同列車は、伊賀線近代化によって導入された860系を平成9年に漫画家松本零士氏デザインによる忍者塗装が施されたもので、初代は青色を基調にしたデザインに、その後、平成13年には緑色を基調にしたデザインに変えられ現在に至っているものです。200系新車両を用いた新忍者列車が登場するまではピンクのくノ一忍者列車とともに伊賀線の象徴的存在として人気を集めました。この青忍者列車は、最近は定期運用から外れており、2月に伊賀鉄道友の会総会で臨時列車として運行してからは上野市駅構内に留置されていましたが、恒例の「伊賀線まつり」が開催されるのに合わせて、さよなら運転が計画されたものです。

 3日は早朝から夕方まで、さよなら列車を記す系統板を掲げて定期運用に入り、折しも伊賀市上野市街地で開催中の「忍者フェスタ」に訪れる多数の観光客の輸送に当たりました。私も朝から子供と一緒にお名残乗車をしてきましたが、沿線には最終運行を撮影しようとカメラを構える多くのファンの姿や、偶然に乗車した乗客の中にもさよなら運行を伝える車内掲示を感慨深く見入る人をみることができました。暫く休車状態であったものの車内は比較的綺麗に保たれており、まだまだ活躍できそうな感じもありますが、台車に至っては経年50年を超えており、数年前に致命的な亀裂があることが発覚し修理のために運休を余儀なくされるという事態もありました。子供が、引退したらどうなるの?と問うので、解体されるかなと答えると、大井川鉄道で走ればいいのにと言ってました。新天地での復活は望むべくもありませんが、静態保存ぐらいはできないものかと思ってしまいます。

 新車両200系の台頭により、860系はこの青忍者列車を含め残り4編成となり、定期運用に就くのはマルーン(赤)と緑のレトロ編成2本のみとなりました。これらの活躍も残すところあと1年程度かと思われます。200系に比べれば不快にさえ思えたあの独特の揺れも次第にいとおしく思えてくるのが不思議です。かつて、近鉄奈良線の特急などで活躍した時代を含めれば約半世紀という長い間、都市間輸送や地域輸送に貢献してきた輝かしい実績に思いを馳せながら、最後の日まで無事に運行ができるよう見届けていきたいものです。







2011/04/26 15:25:56|伊賀線のこと
伊賀線新車第4編成
 伊賀線の新車両はすでに4編成が導入され運用に就いていますが、平成22年度に導入された2編成は、企業がスポンサーになって伊賀の風物を紹介するラッピングが施されています。

 3月末に導入された第4編成は、860系時代にも存在した三重県内の某企業の全面ラッピングとなっていますが、今回のラッピングは、会社名を控えめにした可愛らしいデザインとなっており、なかなか好感が持てます。また、車内に据え付けられたクロスシートは他の3編成同様、転換機能はありませんが、これまでのものに比べて座面が柔らかくとても座り心地が良いものになっています。

 伊賀線の新車両は、ラッピングの違いなど外装の違いもさることながら、よく見れば、運転室のある前面の形状が前後で違ったり、4編成とも同じものはありません。同じ東急電鉄1000系を改造した車両ですが、それぞれに個性があり、実際に乗ってみて違いを観察するのも楽しいのではないでしょうか。

 5月3日には上野市車庫で「伊賀線感謝デー」の開催や初代忍者列車のさよなら運転が実施されます(詳細は伊賀鉄道HP参照)。忍者フェスタ期間中ですので、伊賀上野観光を兼ねて伊賀線の魅力に触れてみてはいかがでしょうか。(画像左=新広告ラッピング車、画像右=860系時代の広告ラッピング車)







2011/04/16 19:27:00|関西本線のこと
桜の名所
 関西本線の笠置駅は、桜の名所として知られています。今年も満開の桜のトンネルを行く列車を撮影しようと快晴の日に訪れました。
 
 笠置の桜は笠置駅周辺を中心に木津川河川敷まで数多く植栽されており、シーズン中は多くの観光客で賑わいます。私はかねてから、この沿線屈指の観光資源を鉄道利用につなげる取り組みをJRや沿線自治体で考えてほしいと思っています。
 たとえば、鉄道で行く桜名所として京阪神エリアで観光PR、ハイシーズン限定で大阪方面からの直通臨時列車運転や木津川沿いを辿るトロッコ列車の設定等々、きっと関西本線と地域の活性化につながることと思います。

 そういえば、GOODNEWSをひとつ。関西本線非電化区間で行われてきた第2土曜日の昼間工事運休が今後は行われないようです。バス代行もなく情報を持たない利用者に多大な迷惑をかけてきただけに批判も多かったのでしょう。喜ばしいことですね。







2011/04/13 18:26:30|伊賀線のこと
春爛漫の伊賀鉄道
 今年は、冬の寒さが長引いたせいもあり、例年よりも春の訪れが遅い気がしましたが、伊賀地方もようやく桜が満開となり、伊賀線からの車窓もすっかり春めいてきました。特に、上林周辺では、ちょうど見ごろとなった菜の花と桜のコラボレーションが乗客の目を楽しませてくれます。
 ちなみにこの菜の花は、市民有志による実行委員会による「菜の花まつり」が4月24日に上林駅周辺で開催されるのにあわせて、駅周辺の休耕田に植えられたものとのことです。
 私も満開の桜と菜の花畑を入れて列車の写真を撮影しようと上林駅を訪ねました。快晴の天気に恵まれたこの日、良いアングルを求めて周囲を少し歩いていると、カメラバッグに「てんとう虫」の姿を見つけるなど、穏やかな春景色のなかで久しぶりに心和む時間を過ごすことができました。
 イベント当日は、「食」をメインに様々な催しが用意されているとのこと。臨時列車も運転されるそうですので、是非、伊賀線に乗ってお出かけください。