| 視察その3は、以前から関心があった、運転体験です。東京からつくばエクスプレスなどを乗り継いで約1時間あまりのところに関東鉄道水海道車両基地があり、ここで毎月1回、同社の気動車(2種類)使った運転体験が実施されており、以前に雑誌の記事で紹介されたのを読み、いつか行ってみたいと思っていました。 運転体験は、伊賀鉄道でも実施されており、多くの申し込みから抽選になるほどと聞いていますが、経営に喘ぐ地方私鉄にとって貴重な収入源になっているといえます。地元でも開催されているのなら、そちらへ行けばと思いますが、電車の運転体験よりも個人的にエンジン付きの気動車の運転体験の方が好みでしたので、こちらにとなった次第です。もっとも電車の運転体験も機会があればやってみたいとは思っています。 さて、関東鉄道はJR常磐線の取手からJR水戸線の下館までを結ぶ本線格の常総線と支線の竜ケ崎線を運営する非電化鉄道ですが、最近は常総線守谷でつくばエクスプレスが接続したことから、沿線は一気に東京通勤圏として成長しつつあります。すでに取手〜水海道間は非電化ながら複線化され高頻度運転がなされています。過去には関西本線で不要となったキハ35,36が多く払い下げられ、最近まで通勤輸送に活躍していた路線でもあります。そんな少しご縁もあって、体験運転に申し込んだところ、見事当選し、意気揚々と参加してきました。 私の参加したクラスは初級編で、しっかりと適性検査の受検や構造についての講義を受講してからの運転となりました。車両は2種類体験することができ、午前中は電気指令ブレーキ搭載の新型キハ2400型(画像上から3枚目)、午後は空気ブレーキ式の従来車キハ00型(画像上から4枚目、下回りは国鉄キハ20系と同様)での体験です。いずれも車両基地内の専用線(画像上から2枚目、専用出発信号機付き)を150メートル走行するものですが、運転士と車掌の両方を体験することができ、発車の際の手順はそれぞれが役割分担し行うことから、まさに車両運行に係る実体験そのものです。手順はすべて講義で教わっているものの、一度で全て覚えることはできないため、本物の運転士が横に居て指導してくれます。 鉄道車両を自分の手で動かすというのは、鉄道に興味のある人なら一度は体験したいと思うはずですが、その分やはり緊張も伴います。自分の番が来たとき、手順はある程度覚えたはずが頭は真っ白になっており、何から始めてよいのかすっかり分らなくなっていました。しかし、出発喚呼してブレーキを解除しノッチを入れたとき、車両が動いたことがグンと体に伝わり、動かしていることの感動を全身で感じることができました。そして終点はあっという間にやってきて、最も難しいといわれるブレーキ操作はやはり難しいものでした。新型のキハは電気指令式のため操作の反応がよく停止位置を少し過ぎた程度で止まれましたが、空気ブレーキの従来車は操作よりも遅れて反応するため、その加減がつかめません。結局私は停止位置よりも手前で止めてしまい、再出発するすることになりました。 運転もさることながら、車掌体験もドア開閉、案内放送など通常行われる一連の動作を体験することができ、案内放送も自分で考えて行うことができることから、皆一様ではなくそれを聞くのも非常に楽しいものでした。 初級編を2回経験すると、ステップアップし中級編へいくことができるシステムとなっており、あこがれのキハ30に乗務することができます。これを目指して是非次の機会を伺いたいと思っています。 |