今年の夏旅行で、はじめて山口線を訪問しました。昨年7月の豪雨災害で今も一部が不通になっている路線です。訪問の目的は、災害復旧の状況や変則ながらも運転再開したSLやまぐち号の状況視察です。 現在の山口線の不通区間は地福〜津和野間となっており、この間は代行バスとやまぐち号利用者のための津和野散策バスが結んでいます。並行道路から見る線路の状況は、重機が置かれ鋭意作業中という感じですが、壊れた橋梁の修復はほぼ済み、新しい線路とバラストもおおむね敷かれているという状況で復旧間近という印象でした。情報では8月下旬には運行再開できるだろうとのことでした。 やまぐち号は新山口〜地福間の運転となっており、SLは方向転換ができないため、往復ともディーゼル機関車との重連運転で、復路はディーゼル機関車を先頭に運行するという変則運行です。しかし、私が訪問したときに、当の主役であるSL(C571号機)に不具合が生じ、かわりにDLやまぐち号としてディーゼル機関車のみが、やまぐち号客車を牽引することとなりました。残念ながらSLの姿を見ることができませんでしたが、よく考えれば、ディーゼル機関車牽引の客車列車に乗車することは、今やSL列車に乗ることよりも稀有なことであり、これはこれで貴重な体験であったと思っています。しかも牽引機はかつて亀山機関区にも所属し、関西本線でも貨物や荷物列車に活躍したDD511043号機。当時、サイドの白帯が省略された塗装が特徴的(今は通常の旧国鉄塗色)だったカマです。 さて、列車の印象はというと、最後部につながれた車両の展望デッキに出れば、心地よい風と山々の草木の匂いを全身に浴びることができとても気持ちがよく、トンネルに入るたびに子供たちは大はしゃぎで、SLでなくてもこの列車の魅力を存分に楽しめました。 近年、自然災害で鉄道施設がダメージを受けることが増えています。鉄道需要が少ない路線では、復旧そのものが難しい場合もあります。そのような可能性が地方ローカル線には少なからずあるということを地域や沿線住民が認識しておく必要性を強く感じました。 |