(続き)やがて大きなヤードを備えた工場が見えて来ると、東藤原駅に到着します。ここは太平洋セメントの工場が隣接しており、貨車の積み出しが行われています。三岐線の貨物列車はここを起点にしており、沢山の貨車と電気機関車の姿を見ることができます。途中駅で貨物列車との交換を期待していましたが、土曜日は運休しているのか、出会うことはありませんでした。しかし、東藤原駅では、停車中ではあるもののその姿を見ることができました。 東藤原駅を出ると、沿線風景は山深くなり、勾配も急になります。ほどなく藤原岳の麓に位置する終点西藤原駅に到着しました。西藤原駅には、かつて三岐線で活躍したSLや電気機関車などが静態保存されており、駅前広場では毎週日曜日にミニSLなどの運転会が開催されるウイステリア鉄道と称する屋外模型レイアウトが設置されています。三岐鉄道では、貨物鉄道博物館の運営も行っており、鉄道遺産の保存にも力を入れているようです。最近は地方のローカル私鉄でさえ鉄道文化の継承と発展を目的とした顕彰活動が行われるようになってきました。歴史的、文化的価値がある駅舎や構造物、車両の保存などを行うことは企業の社会貢献活動として意味のあることだと思います。経営面で必ずしもプラスになるとは限らないことではありますが、地域住民やサポーター組織の協力を得ながら是非続けてほしいと思います。 さて、私たちは、復路は同じ三岐鉄道が運行する北勢線に乗ることとし、まず、折り返しの近鉄富田行で、東藤原駅で途中下車しました。そして、20分ほど田圃の中のウォーキングを楽しみ、北勢線の阿下喜駅近くの阿下喜温泉で温泉三昧を楽しんだ後、ナローゲージで有名な北勢線で桑名駅に向かいました。写真上から=東藤原駅構内、三岐線の電気機関車、西藤原駅に保存展示されている電気機関車、北勢線に登場したかつての三重交通時代の塗色車 |