三重県の桑名と岐阜県の大垣、揖斐を結ぶ養老鉄道は、伊賀鉄道と同じく近鉄から経営分離された路線で、鉄道の維持存続のため、同じ時期(平成19年)に運営方式を上下分離方式に転換し、さらにその後、公有民営方式に移行した鉄道路線です。 その養老鉄道に、今年度から新型車両が投入されるとの情報を得て、少し前になりますが、運用開始間もなくの頃に試乗に行ってきました。 養老鉄道には、転換以前から元近鉄の通勤型車両が運用されてきましたが、経年が進んだ車両も多く、体質改善とサービス向上を図るため?東急電鉄で余剰となった7700系車両を15両購入し、仕様変更の上、投入されることになったものです。 伊賀鉄道の200系車両も、元東急の1000系ですが、同じような経緯を辿った両社が、同じ東急出身の車両を使用することになったのは単なる偶然なのでしょうか。とはいえ、伊賀鉄道の200系は平成生まれ、養老鉄道の7700系は、何と車体は約50年前の製造、心臓部である制御装置はさすがに平成になって新調されたもののようですが、これからも長く運用できるのか?との素朴な疑問が湧きます。 まあ、そのあたりは、よく検討された上でのことと思いますが、7700系も200系も車体はステンレス製で、ひと昔前の鋼製車体のように腐食の心配やコストのかかる塗装がいらないというのが、導入に至る判断材料だったのかと推測します。 さて、試乗インプレッションですが、筆者は大垣〜揖斐間の区間列車に充当された緑帯の車両に乗車することが出来、同区間を1往復しました。車内のアコモデーションは、一世代前の懐かしい雰囲気が残っていますが、明るい柄のシート生地(養老の滝に因んだ瓢箪柄)や床、一部にクロスシートも配置されイメージを一新しており、桑名〜大垣などの比較的長い乗車も快適に過ごせそうです。近鉄型車両を見慣れた利用者や沿線住民からは、珍しさからか、熱い視線が送られているのを感じます。 調達できる車両数に限りがあるためか、資金的な問題かは定かではありませんが、所有車両すべてを置き換えることはないようで、暫くは従来車である近鉄型との併用になるようです。 いずれにせよ、今年で開通100周年を迎えた養老鉄道線、新型車両の投入で魅力が向上し、ますます活性化することを願います。 |