ふとしたきっかけで鉄道趣味の面白さに再び目覚めた。楽しみ方は色々鉄道趣味は奥が深い。私の趣味活動をほんの少し披露し、併せて伊賀地域の鉄道の将来について考えます。
 
2021/02/22 1:18:42|関西本線のこと
JR西日本亀山鉄道部発足30周年で思うこと
 一般にはあまり知られてはいませんが、関西本線の非電化区間である加茂〜亀山間を運行管理するJR西日本の事業組織に亀山鉄道部という部署があります。
この組織が今年度で発足から30周年と言うことで、列車内のPR広告(画像右)や一部列車の前面にヘッドマーク(画像左)が掲げられています。
 鉄道部は、国鉄民営化間もない1990年頃、JR西日本の地方事業組織として設置されたもので、もちろん亀山以外にも各地にあります。それまでは、JR東海が管理する名古屋〜亀山間を除き、大阪方の加茂以西の電化区間も含めて本社または大阪支社が関西本線を一体で管理していたのですが、このような組織を置いた理由として、大まかに言えば、採算性の良くない非電化区間を合理化し効率的に運営しようという事で設置されたものだと思います。その頃から、JR西日本では本来の線名ではなく愛称を付けて呼ぶようになり、加茂以西は関西本線を名乗らず大和路線という愛称で呼ぶことになりました。これに合わせるかのように市販の時刻表でも、まるで別の路線かのごとく別れて掲載され、乗り換えの検索がしにくくなった覚えがあります。当時、これらの動きは、非電化区間を切り離すことで、廃線への序章にするのではないかと危惧する声も聞こえていたように思います。
 亀山鉄道部の30年間を見れば、発足当初、他線区に先駆けて、国鉄以来の旧型車を新車(キハ120)に置き換えたことや、増発やスピードアップ、イベント開催などに積極的に取り組まれていて、地域密着型組織を設置した効果を大いに発揮したと思います(その後、急行の廃止や普通列車の減便など、取り組みが後退してしまったのは残念なことでした。)。
 しかし、他の線区では利用客減に伴う大幅減便の措置が採られているところも多い中、昼間1時間ヘッドのダイヤを維持し、来月にはICOCA利用エリア拡大も果たすこととなり、コロナ禍の悪条件にあっても懸命に活性化への努力が続けられていると思います。
折しも、数日前に、JR西日本の社長会見で、維持が難しい不採算線区が多く、廃線も含めて地元と協議したい旨の発言がありました。コロナ禍と地方の沿線地域が少子高齢化と人口減少の荒波に揉まれるなかにあって、鉄道事業者のトップからこのような発言が出るのはやむを得ない面もありますが、鉄道のみならず地域の存続に関わる問題だけに一鉄道事業者と沿線自治体だけの問題とするのではなく、国全体の交通政策における課題として捉えて欲しい問題だと思います。
 会見では、たちまちの協議対象線区こそ明らかにされませんでしたが、関西本線非電化区間も決して他人事ではない気がします。もし将来にその問題に直面した時、慌てることのないように、路線と沿線地域をどういう絵姿にしていくのか、今後、関係者がしっかり議論していくことを期待したいと思います。







2021/01/03 22:02:42|その他
2021新春に寄せて

明けましておめでとうございます。
昨年はコロナ禍の影響により、屋外での活動も制限を受けることとなりましたが、収束が見通せないまま年を越すことになりました。まだ暫くは我慢の日々が続くのでしょうか。
伊賀地域を取り巻く鉄道事情も昨春からの外出自粛により、明らかな利用者の減少が見られ、大手鉄道事業者でさえ、巨額の損失を出しているとのことです。高校通学生や観光客に依存する伊賀鉄道も新学期からの休校措置や忍者観光目的のインバウンドが無くなったこと、集客目的の各種イベントが実施出来なかったことによる影響は深刻であったと思われます。幸い公有民営化を果たしていることから、行政による支えにより地域の大切な移動手段が維持されています。
そのような中で唯一の朗報は、今春のダイヤ改正を期に、関西本線加茂亀山間にICカード(ICOCA)利用エリアが拡大されることでしょうか。京阪神地区との利便性が向上し線区の活性化に期待がかかります。このことを契機にICOCA導入と併せた利用促進策を講じる必要があると思います。
近鉄では、大きな動きは聞こえませんが、コロナの影響による利用者減少が、減便等ダイヤの見直しに繋がらないか懸念があります。一方、長年親しまれた、紺色とオレンジ色を纏った特急車両が3月に全てなくなるようです。既に塗り替えが進んでいましたが、最後まで残った旧型車両12200系が老朽化のため廃車されるためです。
今年は何はともあれ、コロナの収束が第一です。収束が見通せなければ、地域の鉄道の将来も見通せません。早く世間が落ち着きを取り戻し、コロナ後の展望を切り拓きたいものです。
※画像上=市民団体から寄附された関西風の注連縄を飾る忍者市駅(上野市駅)駅舎。伊賀鉄道の駅舎を考える会が用意した迎春用の寄せ植えも置かれています。
中=3月で姿を消す伝統の近鉄特急12200系。下=車載型ICOCAが使えるようになる関西本線キハ120型







2020/12/13 21:21:23|遠征記
福井鉄道・えちぜん鉄道訪問記
 今年は地方鉄道の現状視察に国内各地を訪ねたいと思っていましたが、周知のとおりの社会状況のため思うに任せません。今回は比較的状況が落ち着いた時期を狙って、未だ訪れていない福井鉄道とえちぜん鉄道の一部を訪問してきました。
 本来なら全行程を鉄道で移動するところですが、日帰りとするため、福井鉄道の始発駅である越前武生まで自家用車で向かい、えちぜん鉄道との相互直通運転を行う鷲塚針原まで直通急行に乗車、普通列車に乗り換えて終点三国港へ向かいました。
 福井鉄道は、単線電化、武生〜鯖江〜福井はJR北陸本線と並行しますが、福井市内は道路併用の路面区間もあり市内中心部への移動に便利です。路面軌道が廃線になった名鉄から譲り受けた路面電車用車両やえちぜん鉄道との直通用に用意された新型の低床型車両が活躍しています。運用は速達型の急行列車も設定され地方鉄道としては運行頻度も多いかと思います。パークアンドライド用駐車場が用意された駅も多く、利用促進の取り組みが進んでいることが分かります。乗車した車両はえちぜん鉄道所有の新型低床車両でしたが、軌道状態の割に高速走行するため揺れが大きいのが気になりました。軌道強化が出来るなら乗り心地も改善されサービス向上ができますが、公的支援ができるかどうかがカギだと思います。
 えちぜん鉄道も単線電化の路線で前身は京福電鉄。福井鉄道とは田原町で接続しますが、相互直通運転が実現し、急行はそのまま鷲塚針原まで乗り入れます。相互直通する区間では新たに、低床車両が乗り入れ可能なように低いホームも整備されたのが特徴的で、床が高い一般車両との両タイプが発着できるようになっています。低床ホームは、さながら欧州などのLRTそのものといえます。
 えちぜん鉄道線内のみの列車には、話題になった女性アテンダントが乗務しており、三国港までの普通列車でその姿をみることができました。主な業務としては車内アナウンスや乗車券販売、高齢者等への乗降介助などといったところでしょうか。顔なじみの地元利用者も多いようで、親しみ易さと利用時の安心感があると感じました。かつての京福鉄道時代に正面衝突事故を2回発生させ運行停止となり、存続の危機がありましたが、沿線住民の声により再生し、活性化のシンボルとなったこの施策もすっかり定着した感があります。
ほかにも、三国港駅でみられるような洒落たデザインの駅舎やホーム、駅名板など利用者を心地よくさせる取り組みを随所に見て取ることができました。
 駆け足の訪問になりましたが、参考になることがたくさんあるようです。次回は再訪して詳しくリサーチしてみようと思いました。
※画像左=相互直通区間のえちぜん鉄道「鷲塚針原駅」で折り返しを待つ低床型車両「ki-bo」左右でホームの高さが異なる。中央=福井鉄道で活躍する名鉄から移籍した路面型車両、右=花で飾られ美しい佇まいのえちぜん鉄道「三国みなと駅」
 







2020/11/01 16:55:02|伊賀線のこと
コスモス畑と伊賀線
秋の伊賀線沿線を彩るコスモスが見頃を迎えています。
列車と絡めての撮影では、猪田道駅そばのコスモス畑がおすすめです。ここは、地元 依那具地区の環境団体が管理しているようですが、お花を持ち帰り出来るのが嬉しいですね。
沿線にはほかにも市部駅近くにも大きなコスモス畑があり、車窓を楽しませてくれます。
また、通年、伊賀線の駅舎を考える会が伊賀線の駅構内や駅前を綺麗な花で飾ってくれています。
伊賀線の車窓から、また、途中下車して沿線の花々を愛でに出掛けるのも楽しいですよ。







2020/10/03 18:23:00|伊賀線のこと
緑忍者編成が復帰しました。
定期検査のため、長らく運用を離脱していた伊賀線(忍者線)の緑忍者編成が、先日から通常運用に復帰しました。同編成は、もくいくトレインとして車内に県内産材が装飾されており、木の温もりが感じられる車両として親しまれています。
今年の春頃から入庫していましたので、約半年ぶりにその姿を見ることが出来ました。近く、リフレッシュ後の乗り心地を味わいたいと思います。
コロナ禍において伊賀線も大きなダメージを受けているようで、通勤や通学以外の観光利用などの利用者はまだまだ少ない感じがします。感染の心配から公共交通の利用を敬遠する向きもあるかと思いますが、伊賀線の全車両も大手と同様に坑菌坑ウイルス処理を施されていますので安心感があります。
現在のコロナの状況が長引けば鉄道の維持存続に大きな障壁となると思われますので、利用することはもちろん、自分が出来ることを考え実行していきたいと思います。