2017年2月から、草津線の活性化を目的に運用されてきた“忍トレイン”が6月末をもって姿を消すことになりました。 これは元々、草津線で運用されてきた113系電車4両1編成にラッピングを施し、内外装を忍者イメージに仕立てたもので、沿線自治体も協力して、甲賀、伊賀忍者をPRし観光誘客を図ろうとするものでした。しかし、まもなく車両の検査時期を迎えることから“忍者衣装”を脱ぐことになったものです。 1編成しかなく、運用情報も明かされず、しかも草津線のみならず、湖西線などでも運用されていたことから、まさに神出鬼没、忍びの者を地で行く存在でした。 当初は、伊賀鉄道忍者列車の2番煎じかと思いましたが、デザインはなかなか秀逸だなと感心していました。同様のものが信楽高原鉄道の気動車にも採用されており、そちらは未だ暫くは残るのでしょう。 忍トレインが草津線や沿線地域にどれほどの効果を与えたのかは定かではありませんが、惜しむらくは、忍んでばかりでなく、いつ、どこで走るのか明らかにすべきだったと思います。そうでなければ、忍トレインで草津線沿線を訪ねてほしいと宣伝しようにも出来ないからです。また、定期運用中心ではなく、イベント列車としてもっと「特別な使い方」もすべきだったのではないかと思います。折角、素晴らしい車両を登場させても活用出来なければ意味がありません。しかし、コロナ禍でそれも叶わなかったということでしょうか。 というわけで、廃止を前に、週末は草津線中心に運用していただけるとのこと。最初で最後のサービスの恩恵に預かってきました。 |