今年の鉄道の日は、開業150年という節目となり、10月14日に近づくにつれ、各種メディアも様々な観点から取り上げることが多くなった気がします。お決まりのこれまでの歴史を辿るもの、鉄道旅の楽しさを紹介するもの、ローカル線存続問題をはじめとする現代の鉄道を取り巻く課題や今後のあり方についてなどなど、全てに目を通すことが出来ないほどで飽きることがありません。 そのような中、ネット情報を見ていると、JR西日本が保有する旧国鉄製造の展望客車マイテ49-2が、鉄道開業150年を機にこのほど現役を解かれ、京都鉄道博物館に保管されるとのこと、そしてその前に、蒸気機関車館の特別なスティーム号として最後の乗車機会があるとの情報に接しました。 マイテ49は、戦前製造で主に東海道筋の花形特急列車に連結され活躍しましたが、電車特急の登場で一旦は現役を引退、その後、唯一残った2号車を国鉄分割民営化によるJR発足を機に、JR西日本が復活させ、主にイベント列車に使用してきました。ここ最近は、車両基地の公開イベントでその姿を見ることがありましたが、本線上を走行する機会はなくなっていました。関西本線では、平成の初めに、マイテ49を含む旧型客車の編成をDD51型ディーゼル機関車3重連が牽引するイベント列車が運転されたことがありました。私は知人とともにこの列車に乗車する予定でしたが当日に体調を崩し、乗れなかったという忸怩たる思い出があります。もう乗車できることはないと諦めていましたが、思いがけず、乗れる機会が巡ってきたとあり、早速予約し、念願を叶えた次第です。 特別なスティーム号は、わずか10数分の短い旅であり、乗り心地をじっくり堪能するというところまでは至りませんが、贅を尽くした車内の設え、一人掛け回転シートの座り心地や特徴的な3軸ボギー台車のジョイント音をはっきり体感することが出来ました。マイテ49は今後、かつてコンビを組んだ数々の蒸気機関車逹とともに扇形車庫で保存され、同僚たちと昔話に花を咲かせることでしょう。 開業150年を迎えたお祝いムードの一方で、鉄道の今後が気になる節目ともなりましたが、こうした歴史の生き証人に触れ、鉄道に興味のある人もそうでない人も、鉄道がこの国の発展にどう寄与してきたのか、これからもどのように活かしていくべきかを考える契機にしてほしいと思います。そして自分にとっての鉄道開業150年の忘れ難き思い出にすることができました。ただただ感謝です。 |