北の大地でつかの間の運転士になる夢を叶えた私は、次なる目的「日本最北端を目指す」を果たすべく、まずは北見行のバスに乗った。北見からは石北本線で当日の宿泊地旭川を目指す。北見市は初めてであったが、人口は約10万8千人の道東の中心都市、面積は道内一の広さらしい。駅周辺はホテルやデパートがあり想像よりずいぶん都市集積があった。カーリング女子で有名になったロコ・ソラーレの本拠地というのも初めて知った。 さて、北見駅も構内が広く、貨物ターミナルも併設している。有名なタマネギ列車こと石北貨物もここから発車する。私が乗るのは網走発札幌行の特急オホーツクで、使用車両はキハ183系国鉄特急型気動車だ。今は新系列の車両に置き換わっているが、当時は置き換え前で、最後に乗車できたことは幸運だった。ただし、北見発が日没前だったため、車窓を楽しめたのは峠越えが始まる区間までで、勇壮な景観を堪能することは叶わなかった。それでも、重厚なディーゼルサウンドを奏でながら峠に挑む様子は車内から充分感じることはできた。 そういえば、北海道のローカル列車で定番だったキハ40系も、この時すでに数を減らしつつある時期で、石北本線や宗谷本線では見かけたものの、JR北海道が新たに導入した電気式気動車H100型が幅を利かせつつあったのが印象的だった。今回の旅では、北海道に残る旧国鉄の残り香を感じる最後のタイミングだったのかも知れない。そんなことを考えながら、翌日の宗谷本線の旅に備えるべく今宵は旭川駅前に投宿した。 ※画像左=北見駅に入線するキハ183系特急オホーツク、画像右=石北本線のローカル運用に就くキハ40系気動車(2両目は急行宗谷色) |