去る7月26日、伊賀市、伊賀鉄道、JR西日本の3者は、連名で来年(令和6年)3月に伊賀線全区間で交通系ICカードICOCA(イコカ)の使用を出来るようにするとの発表がありました。 これにより、相互利用可能なPitapaやSuicaなどの他の交通系ICカードも利用可能となり、既に導入済みの近鉄大阪線やJR関西本線、三重交通バス路線との乗り継ぎ利用も一枚のカードで運賃精算が出来るようになり、利便性が大きく高まり、利用促進に繋がることが期待されます。 伊賀線は近鉄からの経営分離の際、切符や定期券が線区内のみの別精算となり、近鉄線区間への直通切符、JRとの連絡切符の販売も廃止されたことから、一部の定期券利用を除いて、乗車券一枚で利用することが出来なくなっていました。これは他社線への乗継利用が多い伊賀鉄道にとって、利便性を損ねる大きな要因であったと思われます。また、キャッシュレス時代の早期到来によって、ますますそのことは際立つこととなっていました。 今回の導入判断には、インフラ所有者である伊賀市行政のバックアップがあってこそであると推察しますが、地域交通を守り、持続させようとの並々ならぬ決意の表れだと思います。 人口減少や少子高齢化が続く沿線地域の現状に加え、コロナ禍と伊賀線を取り巻く状況は相変わらず厳しいものがありますが、時代の流れに合った利便性向上のための投資は必要であると思います。沿線地域や住民もこれに応えるべく、伊賀線の利用促進、地域づくりへの利活用に努めたいものですね。 |