(つづき)利用者が減少したから廃止したというJRの説明も少し納得がいかない部分が正直言ってあります。なぜなら、全体として利用が多くないのは今に始まったことではありませんし、最近の利用者数は横ばい、昨年(平成17年)ではむしろ微増という報告もされていたからです(鉄道ジャーナル誌)。本当の理由は輸送の効率化なのです。運行するJR東海サイドは車両の運用が限定的な列車よりも、同じ資源をより効率的で採算性の高い方へ振り向けたい。乗り入れさせているJR西日本サイドは列車種別の違う急行列車が乗り入れることで、ダイヤ編成が複雑化する、要員の確保や交換施設の維持が必要になるなどといった要因を除きたいことの利害が一致したからではないでしょうか。また、「かすが」が廃止されること以上に残念に思ったことは沿線地域が殆ど反対しなかったことでした。これは同じ時に廃止された寝台特急「出雲」号の廃止に反応した鳥取県などとは大きな違いでした。いずれも線区の象徴的な列車が消えると言うことでは同じでありましたが、「かすが」廃止の後には特に非電化区間には何ら積極的な代替策が示されませんでした。潜在需要があるこの路線を鉄道事業者と沿線地域が協力して、より真剣に活性化策を考えなければ、もっと残念なことが起こりかねないと思わざるを得ません。(画像 上=廃止直前、4連で力走。下=通い慣れた加太峠を行く。) |