ふとしたきっかけで鉄道趣味の面白さに再び目覚めた。楽しみ方は色々鉄道趣味は奥が深い。私の趣味活動をほんの少し披露し、併せて伊賀地域の鉄道の将来について考えます。
 
2025/08/03 15:23:00|遠征記
鉄道だけで行く北海道旅その3

 五能線の旅は、期待通りのもので満足のいくものだった。快速リゾートしらかみ号は終着青森までであるが、渡道をするには、一つ手前の新青森で北海道新幹線に乗り換える必要がある。30数年前なら青森まで行き、青函連絡船に乗り継ぐという、さらに旅情を感じることができたが、今は新幹線で「ひと跨ぎ」ならぬ「ひと潜り」である。
 さて、私自身、これまで北海道へは何度か行っているものの、青函トンネルを潜るのは実は初めての経験である。出来れば新幹線開業前の在来線時代に潜りたかったが、その機会もなく今日に至ってしまった。高速で通過するのはわかっているが、その入り口は決して見逃がすまいと目を凝らし何とか見届けたようである。あまり特に印象はないが、感慨深いものはあった。
 北海道新幹線の終点は今は新函館北斗である。ここで函館本線の特急北斗に乗換え一路南千歳を目指す。ここから先、札幌まで延伸工事が続いているが、もう少しかかりそうとのこと。新幹線開業後は並行在来線となるこの線区の処遇は果たしてどうなるのか、特急列車の廃止は必然だろうが、本州とを結ぶ貨物の大動脈であることは将来も間違いないだろう。それに山線といわれる長万部〜小樽間は本当にバス転換されるのか?経営難のJR北海道と鉄道維持に消極的と映る北海道庁に任せきりでベストな答えは出るのか、道民のみならず国民として注視していくべきと思う。噴火湾の絶景を車窓に見ながらそんなことを考える。
 今日の目的地は帯広。南千歳でさらに石勝線、根室本線の特急とかちに乗り継いで行く。しかし、昼間なら見えるであろう北海道らしい雄大な景色はすでに闇の中。「追分」、「新夕張」、「トマム」・・・暗闇のホームに見える駅名標だけが、現在地を知る術だ。今日の移動時間の長さに北海道の広さを身をもって感じる。
※画像上から、「新青森駅新幹線ホーム」、「特急北斗に運用されるキハ261系」、「函館本線の車窓にひろがる噴火湾」、「根室本線も新鋭ハイブリッド気動車が主役に」
 







2025/07/23 21:50:00|遠征記
鉄道だけで行く北海道旅その2

 北海道に行く前に秋田へ立ち寄ったのは、五能線のリゾート列車に始発から乗るためであったが、滅多に訪れる機会がない土地なので、市内散策を楽しみ、名物の稲庭うどんやきりたんぽ鍋も賞味でき満足だった。
 翌朝は絶好の天気となり、車窓の絶景に期待を膨らませつつ、「リゾートしらかみ ぶな編成」の乗客となった。平日であったが、まだ、コロナ禍の中であるためか乗客は少なく、4両も繋いでいるが寂しい限り。
 五能線は秋田県の東能代と青森県の川部を結ぶ約147キロの地方交通線だが、近年、一度は乗りたいローカル線として脚光を浴びている。その理由は、全線のうち約80キロが、日本海に面した海岸沿いの区間となっており、世界遺産「白神山地」や奇岩が織りなす海岸の絶景を愛でながら乗り通すことがことができるからだ。私もいつかは乗りたいと憧れを抱いていた。
 観光列車「リゾートしらかみ」は、「ぶな」、「青池」、「くまげら」の3編成あり、秋田〜青森間に設定されている。もともとは平成の初めに設定された客車改造の観光列車がその起源であるが、その後、秋田新幹線の開業により、国鉄型気動車キハ48型を大改造した車両が導入された。現在は、最新鋭ハイブリッド気動車HB-E300型が導入され、JR東日本の力の入れようがわかる。
 さて、車内が幾分寂しいこともあって、自由に車窓からの絶景を堪能できたのは幸いだった。先頭車運転台後ろからのかぶりつきも、特徴ある各車両ごとにも車窓を楽しんだ。おすすめはやはり日本海側の窓側席、グループならコンパートメント式のボックス席もある。普通車指定席の場合、秋田駅から進むと途中の東能代で方向が変わるが海側はすべてA席になるので、これは是非取りたいものだ。それに、この列車はおもてなしの仕掛けが多く用意されている。バスケットボール強豪校がある能代駅ではホームでシュート体験のアトラクションがあったり、青森県の名峰岩木山が見えるころには、豪快な津軽三味線の生演奏も聴くことができた。車窓の絶景だけでも十分なのに、満足度をより高めるポイントである。
 時間があれば、白神山地や五所川原からの津軽鉄道もぜひ訪問したかったが、それは次回への宿題とした。
※画像上から、「リゾートしらかみ ぶな編成」、「東能代では運用を離脱した国鉄型キハ40系列気動車が大量留置されていた」、「五能線のハイライト海岸の絶景」、「津軽平野に入ると岩木山の姿を見ることができる」







2025/07/13 15:38:46|遠征記
鉄道だけで行く北海道旅その1
 コロナ禍がまだ明けきらぬ2022年春、仕事上の節目を迎えた自分へのご褒美として、それまで温めていた鉄道だけで巡る北海道旅行を決行した。
そのルポルタージュを何回かに分けてご紹介したいと思う。
 時期は2022年のゴールデンウイーク明けの6日間、ルートの往路は、まず、伊賀から名古屋、東京を経由し東北、秋田新幹線で秋田へ、念願の五能線を乗り通し新青森へ、北海道新幹線で新函館北斗へ向かい、函館本線、室蘭本線、石勝線、根室本線を経由して帯広へ、ここから鉄道だけでと謳いながら、正確には旧地北線廃線跡を辿る廃止代替?バスで陸別へ、ここでのちほど紹介するこの度のメインイベントともいえるアトラクションを体験したあと北見へ移動し、石北本線で旭川に出て、宗谷本線で稚内に。またもやバスで最北端宗谷岬に向かい、モニュメントにタッチしたあと、再び稚内から宗谷本線を南下し札幌へ直通。札幌からは帰路で、千歳線、室蘭本線、函館本線で五稜郭へ向かい、道南いさりび鉄道でのんびり木古内へ、そこで北海道・東北新幹線に乗り換え東京へ出て、名古屋を経由し伊賀まで戻る行程だった。
 行程の1日目。早朝に伊賀鉄道の最寄り駅を出発し、東京には午前中のうちに到着。食料を買い込んで秋田行E6系「こまち」に乗り込む。この列車はご承知の通り、新函館北斗行「はやぶさ」との併結編成である、この時から3年後、走行途中に連結が外れるトラブルが起きるとはこの時は夢にも思わなかった。いまだ詳細な原因が分からずこの先が思いやられる。どうした鉄道大国日本?
 この年の3月に発生した福島県沖地震の影響で東北新幹線「やまびこ」が脱線したことがあり、この日もまだ、一部区間で徐行運転が行われていて完全復旧に時間を要しているときだった。当然、乗車した列車も通常ダイヤより遅れる運行だったが、秋田まで乗り換えなしのため、自分には影響はない。ミニ新幹線、新在直通の賜物である。
 「こまち」は盛岡で「はやぶさ」と別れる。列車の切り離し作業は見てみたかったものの勝手が分からず、乗り遅れを警戒して断念。こういうことは事前に十分リサーチしておくべきだったと思う。田沢湖線内は自然豊かな車窓風景を堪能しながら体感的にはゆっくりした速度で走行。新幹線直通に合わせ、それまでの狭軌から広軌に改造されているので、近鉄特急くらいのイメージだったが、単線区間であるためかそれより遅い感じがした。しかし車窓を楽しむには丁度良い体感速度だと思う。
 秋田には夕方近くに到着。ここで今日は泊まる。投宿のあと市内を少し散策し夕食は名物をいただくことにした。

 







2025/05/06 21:57:00|関西本線のこと
キハ120型の転属が意味するものを考える
 去る4月29日、岡山色に衣替えした亀山運転区の関西本線専用(だった)キハ120型2両がDD51ディーゼル機関車に牽かれ旅立った。
 この日も多くの情報通の人たちの被写体として脚光を浴び、通いなれた関西本線を後にしていった。新製配置から早や30年あまり、一時も亀山の基地を動いたことがない14両のうちの2両だ。たかが2両、されど2両、前回にも書いたが、この出来事の意味するものは何か、車両の転属などは国鉄時代は全国規模で頻繁にあった。しかし、それはよくも悪くもおおらかな時代、輸送力が過剰でも経営にあまりシビアでなかったときのこと。対する民営化後、出来るだけ省力化を進めたJRは輸送力の要のひとつである車両は、維持するコストが高額になるため過剰には持たなくなった。また、線区によって地域性が際立つ地方線区用の気動車は、他線区への転用はあまり例がない。
 このたびの転属が、岡山エリアでの輸送力強化のためなのか、国鉄時代から残る古い気動車の置き換えのためなのか、今はまだわからない。しかし、関西本線にとっては、今後、輸送サービスの改善につながる増便や増車の可能性は、極めて難しくなったといえる。代わりの車両が来ないならば、明らかな輸送サービスの後退に違いない。
 民営化直後に比べ、加茂〜亀山間の輸送量は約4分の1になったという。原因は色々あるだろう、沿線人口の減少、少子高齢化、マイカー依存の高まり、しかしそれは推し量れば十分に想定できたもの。それに対して、ニーズの掘り起こし、サービス改善を行ってきたのか、旧態依然としたサービスのままで、もっと乗れとは無理がある。果たして、改善を求める沿線住民や市町村の声に応えてきたのだろうか?JRも府県も聞く耳を持たなかったのではないだろうか。コロナ渦を経て最悪の状態が近づいて、やっと重い腰を上げたようにしか見えない。もっと早く打つ手があったのではないか?と今さらに思う。
 利用促進策の協議を沿線自治体と行っている最中にもかかわらず、車両の削減を行うJRの見解は如何に?「キハ120型は、線区内の現状の輸送量に適した配置の車両数としました。一方、沿線自治体と検討している利用促進策として、都市部からの利用の潜在需要を掘り起こすには、他からもっと立派なクルマを持ってきますからご心配なく」、と是非とも言ってほしいと思う。







2025/04/29 11:41:57|関西本線のこと
色違いのキハ120型走る
 4月26、27日の両日、関西本線に普段は見かけない色のキハ120型気動車が走った。関西本線のキハ120型は前面と側面上下に紫色が配されているが、色違いのものを見ることは無い。
この日走ったのは、2本の濃淡があるオレンジ色のストライプが巻かれたキハ120型。主に岡山を中心とした地域でみられる色のものである。聞けば、元々亀山の基地に所属し、関西本線で運用されてきたキハ120型の2両が、新たに岡山地域に転属するための試運転だそうだ。珍しい車両が走るとあって、事前情報を得た人たち(私もその一人だが)がこぞって撮影に来られていたが、私は少々複雑な思いだ。
 なぜなら、関西本線用のキハ120型は亀山に確か14両配置されているはず。これは同車が導入されて以来、長らく増減はない。そのうち2両が他地域に異動するということは、輸送量が減って、車両数に余剰が生じていることの証ということだからだ。確かに昼間の多くの時間帯は1両のみの列車が多い。車両数は需要の最大に合わせて配置されるが、全列車2両あるいはごく稀に3両という時もあったが、それを最大とすれば、もうそれだけの車両数を用意する必要はないということだ。路線維持のための課題が取りざたされている中で、今後、他形式の車両が補充されるということはまずないだろう。
しかも転属していく形式は、貴重なセミクロスシート車の300番台というから余計に悲しい。
 珍しいものを見れたと盛り上がっている場合ではない。これが現実、真剣に考えないと…。