光合成2でのブログは、80%以上の植物の光合成のメカニズムです。
じゃあ、どんな光合成の方法があるのか。という事ですが、3つのメカニズムがあります。これは炭素固定のプロセスにより以下のように分類できます。
1.C3植物 2.C4植物 3.CAM植物 です。
何じゃこれは?と思いますが、簡単に言うとC3は植物に取り入れられた二酸化炭素から有機化合物が合成される一番最初の化合物の炭素の数です。つまり、ブログの光合成2で書いた一般的な光合成のメカニズムがC3であり、それは、PGA(グリセリン酸リン酸)が最初の化合物、であり、PGAは炭素3つを持った化合物だからです。
言い換えれば、カルビン回路しか持たない植物をC3植物といいます。
C4は、一番最初にできる化合物が炭素4つを持った化合物だと言う事です。が、炭素が1つ増えると、いきなりカルビン回路では処理できません。
C4植物では、炭素固定によって最初に炭素を4つ持った化合物である、オキサロ酢酸が出来、次いでリンゴ酸やアスパラギン酸を合成します。この反応は、葉肉細胞の中のC4−ジカルボン酸回路で行われます。
リンゴ酸やアスパラギン酸は維管束鞘細胞(カルビン回路が働くところ)に入り、ここで脱炭酸されて二酸化炭素を放出し、残りは葉肉細胞に戻りホスホエノールピルビン酸(PEP)となり、PEPは再び二酸化炭素と結合します。
リンゴ酸やアスパラギン酸から脱炭酸された二酸化炭素は維管束鞘細胞の中でカルビン回路に入っていきます。
C4植物での二酸化炭素受容体であるPEPは、C3植物の受容体であるRuBP(リブロースニリン酸)と比べ、二酸化炭素と反応しやすく、低濃度の二酸化炭素でも効率よく捉える事が出来ます。 したがって、乾燥地で植物が気候を閉じ、二酸化炭素濃度が低くなった場合でも、C4植物はC3植物と比べて効率よく光合成を営む事が出来ます。
まっ、もっと簡単に言うと、光合成には限定要因というのがあり、光合成速度は、そのとき一番不足しているものによって決定されます。 光が充分な時は、植物には二酸化炭素が不足した状態で、これが限定要因となります。そこで、C4植物はC4−ジカルボン酸回路で二酸化炭素を濃縮してから、カルビン回路で処理するという事です。
最後の、CAM植物についてですが、これは炭素の数では説明がつかなく、ちょっと変わっています。
まず、CAMとはCrassulacean Acid Metabolsm)の略でベンケイソウ型有機酸合成と呼ばれています。
CAM植物は、C3,C4植物とは異なり夜間に二酸化炭素を取り込み、PEP(ホスホエノールピルビン酸)とPEPカルボキシラーゼを用いて、オキサロ酢酸(C4)にします。そして、補酵素とリンゴ酸デヒドロゲナーゼを用いてリンゴ酸(C4)にします。そして、このリンゴ酸は昼まで液胞に貯蔵されます。
そして、昼になると、貯蔵されたリンゴ酸がNADP+(酸化型補酵素)と反応し、そして、NADPH(還元型補酵素)とピルビン酸(C3)が反応して、二酸化炭素が生成されます。このように濃縮された二酸化炭素はカルビン回路に入り、ピルビン酸はデンプンとなり、PEPの原料となります。PEPはピルビン酸からATP(アデノシン三リン酸)とピルビン酸オルトリン酸ジキナーゼを用いて合成されます。
CAM経路はC4経路と同様にカルビン回路のみの場合と比べて、エネルギーを余計に消費します。
このような機構になるのは、CAM型光合成は砂漠といった水分が慢性的に不足しており、また、昼夜の温度差が大きい環境に適応したものだからです。通常の植物は昼に気孔を開け、二酸化炭素を取り込みます。しかし、砂漠のような環境下の場合、同時に大量の水分を失ってしまいます。
だからCAM植物は、涼しい夜に気孔を開け、二酸化炭素の取り込みを行い、昼は気孔を閉じることで水分の損失を最小限に抑えているのです。また、夜間に二酸化炭素を吸収するという事は、C3植物との競合がないため二酸化炭素を吸収しやすいと言った事も考えられます。
|