あと1ヶ月と数日で2009年も終わりを告げますが、2000年から2009年の10年間にインターネット上で起きた出来事の中で、最も影響が大きかった10個の出来事が選定されました。
10年前と比較して回線速度やパソコンの処理能力が飛躍的に向上したことで実現したサービスなどもランクインしています。
詳細は以下から。
Welcome to the Webby Awardsインターネットの黎明(れいめい)期となる1996年に創設され、650人のウェブのエキスパートやビジネスパーソン、クリエイティブな人々などで構成された「The International Academy of Digital Arts and Sciences(IADAS)」によると、2000年から2009年の10年間にインターネット上で起きた出来事の中で、最も影響が大きかった10個の出来事は以下となっています。
・コミュニティサイト「Craigslist」の拡大(2000年)
1995年に創設された、不動産情報や求人情報といった都市ごとの様々な情報が掲載されている情報交換サイト「Craigslist」がサンフランシスコ以外にも対象エリアを広げたのがこの年。今では世界のウェブサイト全体で22位、アメリカ国内で8位にあたる毎月20億ページビューを超えるアクセスがある超巨大サイトとなっています。
・「Google AdWords」の開始(2000年)
宣伝したい内容に関連する検索結果ページに広告を表示させることができる「Google AdWords launches」が開始されたのも2000年です。広告料金はクリック毎に課金され、1日の予算の設定や広告の変更がいつでも簡単にできることから、規模の小さい広告主でも的確な広告の展開を可能にしました。
・オンライン百科事典サイト「Wikipedia」公開(2001年)
今では無くてはならない存在となった感のあるフリーのオンライン百科事典サイト「Wikipedia」は2001年に公開されました。サービスを開始した 2001年の末には18の言語で2万の項目が作成されるなどの絶大な人気を誇り、今では271の言語で1400万を超える項目が収録されています。
・ナップスターの閉鎖(2001年)
P2P技術を利用したファイル共有ソフト「ナップスター(Napster)」を開発したNapster社が著作権侵害で敗訴したのは2001年。その後Napster社はRoxio社の傘下となり、音楽配信サービスを手がけることとなりましたが、音楽や動画といったファイルの共有に対するユーザーの需要を喚起させる結果となりました。
・Googleの株式公開(2004年)
1998年の創業から6年目となる2004年にGoogleはIPO(株式公開)を行いました。これによりGoogleが市場から調達した資金は、当初予想されていた33億ドル(約2937億円)の半分ほどとなる16億5000万ドル(約1469億円)となっており、GmailやYouTube、Google Earth、Google Maps、AndroidといったGoogleならではの強力なサービスを生み出す原資となりました。
・動画共有サイトの爆発的普及(2006年)
ブロードバンドの普及や安価なビデオカメラ、AdobeのFlash Player 9などの登場によって動画共有サイト「YouTube」が生まれ、2005年12月に公式サービスが開始されたことは、2006年に爆発的なヒットを生み出し、ユーザーによる投稿動画の数々はポップカルチャーから政治分野までに幅広い影響を与えました。
・SNS「Facebook」の一般公開と「Twitter」創業者のサービス開始(2006年)
アメリカの学生向けに作られたSNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)の「Facebook」が一般公開されたほか、個々のユーザーが「つぶやき(ツイート)」を投稿することで、ゆるいつながりが発生するコミュニケーションサービス「Twitter」の創業者がサービスを開始したのも2006年。日本では認知度で「mixi(ミクシィ)」に引けをとるFacebookですが、世界ではTwitterともども主流のサービスとなっています。
・iPhoneの発売(2007年)
Appleが初代iPhoneを発売したのは2007年。発売初週に50万台を売り上げたほか、これまで一部のユーザーに向けた「嗜好(しこう)品」であったスマートフォンを、「必需品」へとシフトチェンジさせたと評価されています。また、今後10年で10億人が「初めてインターネットへアクセスする手段」として、モバイル機器を利用するようになるであろうと予測されるそうです。
・アメリカ大統領選挙(2008年)
2008年に行われたアメリカ大統領選挙は、これまでの選挙のあり方がインターネットによって変えられた象徴的なものでした。各陣営がインターネットを駆使してオンラインで史上類を見ない規模の資金調達に成功するなど、今までの選挙のあり方に大きな転換をもたらすものとなっています。
・Twitterを駆使したイラン大統領選挙への抗議活動(2009年)
強硬派の現職大統領が再選することに反対する市民の抗議活動が行われたのが、2006年に開始された「Twitter」でした。イラン当局が抗議行動の報道を阻止しようとする中、イランからのメッセージや写真などがTwitterに対して投稿され、検閲に対して強い威力を発揮しました。
あくまで海外のランキングであるため、日本とは事情が異なる部分も多々ありますが、2010年から始まる「次の10年」には、いったいどのような出来事が起きるのでしょうか。国内のSNSや動画共有サイトなどで見られるような、海外発のサービスにある着想をそのまま日本向けにカスタマイズしたようなものではなく、純粋に「日本発のサービス」が世界に大きな影響を与えるものとしてランクインすることを期待したいところです。