コロナ禍がまだ明けきらぬ2022年春、仕事上の節目を迎えた自分へのご褒美として、それまで温めていた鉄道だけで巡る北海道旅行を決行した。 そのルポルタージュを何回かに分けてご紹介したいと思う。 時期は2022年のゴールデンウイーク明けの6日間、ルートの往路は、まず、伊賀から名古屋、東京を経由し東北、秋田新幹線で秋田へ、念願の五能線を乗り通し新青森へ、北海道新幹線で新函館北斗へ向かい、函館本線、室蘭本線、石勝線、根室本線を経由して帯広へ、ここから鉄道だけでと謳いながら、正確には旧地北線廃線跡を辿る廃止代替?バスで陸別へ、ここでのちほど紹介するこの度のメインイベントともいえるアトラクションを体験したあと北見へ移動し、石北本線で旭川に出て、宗谷本線で稚内に。またもやバスで最北端宗谷岬に向かい、モニュメントにタッチしたあと、再び稚内から宗谷本線を南下し札幌へ直通。札幌からは帰路で、千歳線、室蘭本線、函館本線で五稜郭へ向かい、道南いさりび鉄道でのんびり木古内へ、そこで北海道・東北新幹線に乗り換え東京へ出て、名古屋を経由し伊賀まで戻る行程だった。 行程の1日目。早朝に伊賀鉄道の最寄り駅を出発し、東京には午前中のうちに到着。食料を買い込んで秋田行E6系「こまち」に乗り込む。この列車はご承知の通り、新函館北斗行「はやぶさ」との併結編成である、この時から3年後、走行途中に連結が外れるトラブルが起きるとはこの時は夢にも思わなかった。いまだ詳細な原因が分からずこの先が思いやられる。どうした鉄道大国日本? この年の3月に発生した福島県沖地震の影響で東北新幹線「やまびこ」が脱線したことがあり、この日もまだ、一部区間で徐行運転が行われていて完全復旧に時間を要しているときだった。当然、乗車した列車も通常ダイヤより遅れる運行だったが、秋田まで乗り換えなしのため、自分には影響はない。ミニ新幹線、新在直通の賜物である。 「こまち」は盛岡で「はやぶさ」と別れる。列車の切り離し作業は見てみたかったものの勝手が分からず、乗り遅れを警戒して断念。こういうことは事前に十分リサーチしておくべきだったと思う。田沢湖線内は自然豊かな車窓風景を堪能しながら体感的にはゆっくりした速度で走行。新幹線直通に合わせ、それまでの狭軌から広軌に改造されているので、近鉄特急くらいのイメージだったが、単線区間であるためかそれより遅い感じがした。しかし車窓を楽しむには丁度良い体感速度だと思う。 秋田には夕方近くに到着。ここで今日は泊まる。投宿のあと市内を少し散策し夕食は名物をいただくことにした。 |