ふとしたきっかけで鉄道趣味の面白さに再び目覚めた。楽しみ方は色々鉄道趣味は奥が深い。私の趣味活動をほんの少し披露し、併せて伊賀地域の鉄道の将来について考えます。
 
2025/09/04 7:11:46|関西本線のこと
関西本線で観光列車“はなあかり”が試運転
 関西本線活性化策としての観光列車“はなあかり”の実証運行に備えた試運転が、9月3日に加茂(奈良・佐保信号所)〜亀山間で実施された。実際の運行計画はまだ明かされていないが、今秋とのことであったので、近々に試運転が行われるだろうと思っていたところ、前日夜に奈良線を経由して車両が回送されたとのネット情報があり、当日となった次第。
 丁度、休暇日であったので、沿線に赴くと同業の皆さんが居られ、ご相伴に預かった。残暑とは言い難い酷暑の昼間であったので、一寸ためらいがあったが、改造元車であるキハ189系気動車すら入線したことがない同線に、豪華仕様となった“はなあかり”が入るとあれば行かずにはいられなかった。
 キハ120型とは違う重厚なサウンドを奏でて走り去る姿は風格があった。やはり関西本線にはこういう車両が似合う。名古屋からの直通実証運行に次ぐ施策だが、実験だけで終らないよう切に願いたいものだ。
※画像は、佐那具ー新堂間の直線区間を行く“はなあかり”







2025/09/01 20:43:00|遠征記
鉄道だけで行く北海道旅その5

  宿泊施設も併設した道の駅陸別に昼頃到着し、昼食を済ませた後、体験運転の受付を済ませ旧陸別駅ホームに出た。驚いたことに現役当時そのままに広大な駅施設が残され、新たに敷設されたであろうトロッコの線路など鉄道公園としてさらに整備されているようだ。
  担当される指導運転士さんに挨拶し、構内に停車中のCR70型気動車に乗り込む、私が予約したのは80分間のLコース、駅構内の500mを往復する。運転に必要な手順等レクチャーを受け、さっそく運転席へ、構内は制限20km/h、両運転台のため、進行方向を変えるたびに車内を移動する。構内を何度も往復。やはり難しいのはブレーキ操作、空気ブレーキの微妙な感覚は慣れるしかないと痛感する。停止目標に合わせようと急ブレーキになったり、オーバーしたり、手前すぎたり、しかし何度か挑戦するうちに目標位置で停止できるようになると気持ちよく、上手になってきたかなと少し得意げになる。途中、構内ポイントを手作業で転換する体験もあり、転轍(てんてつ)機ではなくレバーを回転させる方法だったので、意外に重労働だと感じた。指導運転士さんは愛想のよい方で、私がこの日のために用意していた廃品のJR貨物の上着と国鉄機関士制帽を見て、自分もJR貨物の機関士だったと教えてくれた。上着は千円で買ったと言うと苦笑いしていたのが少し可笑しかった。この日は楽しかったが、さすがに休憩なしで80分頑張ると正直少し疲れもしたので早めに宿泊施設にチェックインし休むことにした。
 体験運転はコース別に分かれていて、お試し的な15分間のSコース、この日私が挑戦したLコース、Lコースを修了すると次は、構内を出て旧本線を北見寄りに1.6Km先まで往復できる銀河コース、さらにそれを修了すると2.8Km先までの新銀河コース、さらにその次が5.7km先の分線駅まで往復できる分線コースにステップアップしていけるシステムだ。私は旧本線の運転もしたかったので、初日にLコースを修了して次の日に銀河コースを申し込んでいた。
 旧陸別駅に併設した宿泊施設は、食事つきで清潔感があり、満足できるものだった。夕食後に周辺を少し散歩したが、夜空が美しく印象的だった。途中、キタキツネと出会ったが、ほかの野性動物との遭遇を避けたいのであまり長居はできなかった。
 翌日は、いよいよ本線運転。指導運転士は昨日の方とは違う人であまり雑談はされない。駅構外へ出るということは、何が起きるかわからない、体験とは言え緊張感を持ってということだろう。まずは、駅構内で昨日のおさらいをしてから、旧本線運転用の車両に乗換える。実は、軌道は北見寄りに走行可能になっているものの、道路と交差する踏切までは復活していないため、陸別駅構内すぐの踏切を越えた先に車両1両分の車庫があり、そこに停めた車両を使用するのだ。とはいえ構内用の車両と同型なので、操作方法は変らない。車庫を出たすぐのところに、足場用の鋼材で組まれた簡易な駅ホームから安全確認要員の女性を乗せ、指差喚呼、汽笛を軽く一声して発車する。目的地は1.6Km先の駅だ。途中に架空の駅と徐行区間もある。少し登り勾配であるが、制限20km/hのため、ノッチ(アクセル)を入れては戻しの連続だ。構内とは異なり、緊張感がある。廃線になっているとはいえ、本線上を自分で列車を運転している高揚感と相まって、一瞬これが現実のことか分からなくなる不思議な感じだ。途中、民家のそばを通る箇所は制限10Km/hの徐行区間のためブレーキを操作し減速、指導運転士の"徐行10”の喚呼に続いて自分も喚呼する。徐行区間を過ぎて加速すると、指導運転士が“シカがいるから気を付けて”の声、見れば進行方向に大きなシカが見える。エゾシカだ、線路内に入って衝突でもすれば一大事だ、急に不安にかられる。再び減速し指示通り注意深く通過した。実際の運行でもこういうことは多いに違いない。わが地元でも動物との接触が問題化しているが、北海道ならなおさらだろう。列車を動かす操作は素人でも覚えれば出来るが、本職なら緊急時にこそ正確に迅速に落ち着いて対応出来る技能を身に付けている。そこが大きな違いだと実感した。
 結局、時間内に往復3.2kmを3往復もさせてもらった。慣れてくると、もう少し速度を上げたくなる気持ちになったが、そこは堪えながらも都合10kmを自らの手で運転した歓びは筆舌に尽くしがたい。束の間の鉄道運転士だったが、小さい頃の夢を叶えた充実の時間だった。
※画像上から、陸別駅構内に停車するCR70型気動車、旧陸別駅は高倉健さん主演の映画「幸せの黄色いハンカチ」のロケ地でもあったらしい。北見寄りに復活した旧本線用車両の車庫、旧本線の簡素な起点駅「かんさい」


 







2025/08/23 14:01:08|遠征記
鉄道だけで行く北海道旅その4

 帯広で1泊した翌朝、駅前バスターミナルへ向かう。鉄道だけで行くはずがこの日はバス移動。この日の目的地は内陸の陸別町だ。以前なら、鉄道で行くことができたが、旧国鉄地北線を引き継いだ北海道ちほく高原鉄道ふるさと銀河線が平成18年に廃止されてしまっているので仕方がない。廃線ルートに沿って走る十勝バスの帯広陸別線は鉄道廃止代替バスともいえる。
 帯広から陸別までの所要時間は約2時間40分。途中、旧地北線の起終点でワインの産地の池田、松山千春の生誕地で有名な足寄を経由する。今は日に9本が設定されているが、乗車した便は帯広からの通し客は私だけ。短い区間利用がほとんどで、常に5人以下と寂しい車内だ。鉄道があった時はもう少し多かったのかもしれないが、バス転換されてもこのままではバスの存続も危ういのではないかと心配する。札幌など都市圏以外の広大な北海道の大地の中では、民間事業で公共交通を維持するのは大変だと分かる。途中経由する小さな町はメインストリートやバス待合所などインフラが綺麗に整備されたところが多いが全体に活気はない。バスは幹線道路でも路面状態は良くなく、バス車両の古さもあって乗り心地は良くない。長時間移動は正直疲れるのも敬遠される理由かもしれない。鉄道が廃止され、地域に応じた最適な移動モードとされた代替バス路線だが、利用は鉄道時代よりさらに減り、沿線地域の賑わいが失われていくのは鉄道の存廃問題を抱える全国各地の将来を見ているかのようだった。
 さて、ようやく目的地の陸別に到着。バス停は鉄道駅だった陸別駅前にあり、駅舎が当時のまま残されている。というか今もここは現役なのだ。ここでこの度のメイン、“あること”を体験する。
陸別では、ちほく高原鉄道が廃線になった2年後の平成20年から、駅構内や一部残された軌道、車両を活用して、運転体験や乗車体験などができる観光鉄道として再生を図った。もちろん、沿線住民の日常の足としての役割は果たせないが、鉄道遺構を活用して町外、いや道外からここにやってくる交流人口を増やそうとしているのだ。
しかも運転体験は何と日本最長の片道5.7キロ。距離だけでみれば立派な鉄道路線だ。
陸別旧駅舎は道の駅や宿泊施設も併設しており、私はここで泊まりがけで、ディーゼルカーの運転体験に挑む。鉄道ファン垂涎の夢のような時間を過ごしにやってきたのだ。
※画像上から、陸別行き十勝バス(池田駅前)、復元された足寄駅舎、陸別駅舎全景、運転体験に使用されるディーゼルカー







2025/08/03 15:23:00|遠征記
鉄道だけで行く北海道旅その3

 五能線の旅は、期待通りのもので満足のいくものだった。快速リゾートしらかみ号は終着青森までであるが、渡道をするには、一つ手前の新青森で北海道新幹線に乗り換える必要がある。30数年前なら青森まで行き、青函連絡船に乗り継ぐという、さらに旅情を感じることができたが、今は新幹線で「ひと跨ぎ」ならぬ「ひと潜り」である。
 さて、私自身、これまで北海道へは何度か行っているものの、青函トンネルを潜るのは実は初めての経験である。出来れば新幹線開業前の在来線時代に潜りたかったが、その機会もなく今日に至ってしまった。高速で通過するのはわかっているが、その入り口は決して見逃がすまいと目を凝らし何とか見届けたようである。あまり特に印象はないが、感慨深いものはあった。
 北海道新幹線の終点は今は新函館北斗である。ここで函館本線の特急北斗に乗換え一路南千歳を目指す。ここから先、札幌まで延伸工事が続いているが、もう少しかかりそうとのこと。新幹線開業後は並行在来線となるこの線区の処遇は果たしてどうなるのか、特急列車の廃止は必然だろうが、本州とを結ぶ貨物の大動脈であることは将来も間違いないだろう。それに山線といわれる長万部〜小樽間は本当にバス転換されるのか?経営難のJR北海道と鉄道維持に消極的と映る北海道庁に任せきりでベストな答えは出るのか、道民のみならず国民として注視していくべきと思う。噴火湾の絶景を車窓に見ながらそんなことを考える。
 今日の目的地は帯広。南千歳でさらに石勝線、根室本線の特急とかちに乗り継いで行く。しかし、昼間なら見えるであろう北海道らしい雄大な景色はすでに闇の中。「追分」、「新夕張」、「トマム」・・・暗闇のホームに見える駅名標だけが、現在地を知る術だ。今日の移動時間の長さに北海道の広さを身をもって感じる。
※画像上から、「新青森駅新幹線ホーム」、「特急北斗に運用されるキハ261系」、「函館本線の車窓にひろがる噴火湾」、「根室本線も新鋭ハイブリッド気動車が主役に」
 







2025/07/23 21:50:00|遠征記
鉄道だけで行く北海道旅その2

 北海道に行く前に秋田へ立ち寄ったのは、五能線のリゾート列車に始発から乗るためであったが、滅多に訪れる機会がない土地なので、市内散策を楽しみ、名物の稲庭うどんやきりたんぽ鍋も賞味でき満足だった。
 翌朝は絶好の天気となり、車窓の絶景に期待を膨らませつつ、「リゾートしらかみ ぶな編成」の乗客となった。平日であったが、まだ、コロナ禍の中であるためか乗客は少なく、4両も繋いでいるが寂しい限り。
 五能線は秋田県の東能代と青森県の川部を結ぶ約147キロの地方交通線だが、近年、一度は乗りたいローカル線として脚光を浴びている。その理由は、全線のうち約80キロが、日本海に面した海岸沿いの区間となっており、世界遺産「白神山地」や奇岩が織りなす海岸の絶景を愛でながら乗り通すことがことができるからだ。私もいつかは乗りたいと憧れを抱いていた。
 観光列車「リゾートしらかみ」は、「ぶな」、「青池」、「くまげら」の3編成あり、秋田〜青森間に設定されている。もともとは平成の初めに設定された客車改造の観光列車がその起源であるが、その後、秋田新幹線の開業により、国鉄型気動車キハ48型を大改造した車両が導入された。現在は、最新鋭ハイブリッド気動車HB-E300型が導入され、JR東日本の力の入れようがわかる。
 さて、車内が幾分寂しいこともあって、自由に車窓からの絶景を堪能できたのは幸いだった。先頭車運転台後ろからのかぶりつきも、特徴ある各車両ごとにも車窓を楽しんだ。おすすめはやはり日本海側の窓側席、グループならコンパートメント式のボックス席もある。普通車指定席の場合、秋田駅から進むと途中の東能代で方向が変わるが海側はすべてA席になるので、これは是非取りたいものだ。それに、この列車はおもてなしの仕掛けが多く用意されている。バスケットボール強豪校がある能代駅ではホームでシュート体験のアトラクションがあったり、青森県の名峰岩木山が見えるころには、豪快な津軽三味線の生演奏も聴くことができた。車窓の絶景だけでも十分なのに、満足度をより高めるポイントである。
 時間があれば、白神山地や五所川原からの津軽鉄道もぜひ訪問したかったが、それは次回への宿題とした。
※画像上から、「リゾートしらかみ ぶな編成」、「東能代では運用を離脱した国鉄型キハ40系列気動車が大量留置されていた」、「五能線のハイライト海岸の絶景」、「津軽平野に入ると岩木山の姿を見ることができる」







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