普段は伊賀市からもほど近い、鈴鹿サーキットで開催されているFormula-1国際自動車レース。今年は、本選などの3日間で前年を上回る315000人の観客動員となったようだ。 私もこの世界最高峰の自動車レースの魅力に取り憑かれている一人で、セナ、プロスト、中嶋悟らが活躍した80年代から、少し空白期間を経て、ここのところ毎年出かけている。 さて、レースの話題は色々あるのだが、それはさておき、冒頭のとおり、普段は近いはずのサーキットがこの時ばかりは、アクセスに苦慮する。伊賀からなら、普段はクルマで行くのが常道。所要時間は60分もかからない。しかし、この時ばかりは大渋滞に自ら飛び込むようなものでクルマで行くのは無謀というもの。そのため、私は早くから伊勢鉄道の鈴鹿サーキット稲生駅を使ってきた。各地から鉄道を使ってサーキットへアクセスするには、近鉄白子駅がメジャーだが、なにぶん距離があるため、そこからは通常、バス利用となるが、それに乗るのも大変である。稲生駅だと最も近いゲートまで徒歩15分の距離と比較的近い。当初はあまりこの駅を使う人は多くなかったが、伊勢鉄道や乗り入れを行うJR東海の努力もあって臨時列車の本数も充実し、主要アクセスの一つとなった。しかし、ここ最近は、海外からの利用客も相当増え、これまでの様相から混雑に拍車がかかっている。名古屋方面との往復にはHC85系やキハ75系を動員した臨時直通特急や快速などをレース時間に合わせて運行しているものの、やはり線路容量や動員できる車両数には限界があるため頻回とはいかない。このため、特に本選レース終了後の駅前の道路上に何重にも折り重なる人の列が出来、乗車まで何時間も待たされることが当たり前になってしまった。このため、混雑を避けようとレース終了後、先を争って駅に向かう帰宅レースなるものが始まるのが常となり、このことを帰宅グランプリなどと揶揄する者もいるほどだ。反対に津方面は、さすがにそれほどではなく、混雑も穏やかであったが、名古屋方面へも一旦、津まで出て近鉄に乗り換える人が多いためか、最近は少し様相が変わってきている。 沢山の利用があって伊勢鉄道にとってはドル箱の3日間だと思うが、事故なく安全に運行するには毎年、頭を痛めていると推察する。普段の職員数と車両数では到底対応できないため、JR東海の職員も多数応援に来られているのと、この期間だけと思われる若いスタッフも多数いて、警備や整列乗車にあたっている。海外のお客様もかなりいるため、外国語の案内をするスタッフも増えているようだ。毎年々改善を重ねている成果があって、異常な混雑でも混乱しているのを見たことはなく、国内外のお客様問わずみな冷静に待っている光景は素晴らしいとさえ感じる。 最近はあまりの混雑から、自ら稲生駅以外の別の手段をご検討下さいとPRするようになってしまったが、希望を言えば、もう少し編成両数を増やすなり輸送力を上げて欲しいのと、せめてICカードを利用可能にして欲しいところである。しかし、今後も継続して鈴鹿でF-1グランプリが開催されるかどうか保証がない中、鉄道事業者としての大きな投資は望み薄だろう。せめて、開催が決まっている2029年までは可能な限りの資源を使ってご安全に輸送にあたってほしいのと、利用する私たちも節度を持って観戦に臨みたいと思う。 |