正直、南海電鉄のことはあまり良く知らない。沿線に住んだこともないし、縁もないのだが、たまに出かける難波や大阪の彼の地で、普段見かけない色の電車が少し気になってはいたものだ。 そんな中、南海電車と言えはこの色だなと思う懐かしい塗装が、間もなく引退する車両に施され、束の間走ると今流行りのSNSで知り、なぜか惹かれるものがあり、以前から一度行ってみたかった汐見橋線へ見に行ってきた。 汐見橋線は都会の中のローカル線、起点の汐見橋は、近鉄の難波のとなり、阪神電鉄桜川につながった便利な立地であるものの、佇まいは地方私鉄の始発駅といった感じで少しウラ寂しい。 大手私鉄の路線でありながら、施設や設備の更新がされていないのが逆に新鮮に感じる。1面2線しかないが、私鉄らしい行き止まり式の駅ホームに入ると、懐かしい色の2200系が入線してきた。調べると、本線筋の高野線で、平地でも急勾配区間にも適した高性能車だったとのこと。愛称は角ズームカー。 汐見橋線は、駅も、電車も、線路設備も昭和の香りが満ちている。汐見橋だけではなく、約15分ほどの行程にある途中駅も沿線の風景も、2200系が健在なうちに、もう一度ゆっくり訪ねたい、そう思わせる路線だった。 |