2
その来年も、スーパーマンは、大群を率いてやってきました。そして、例によって、さら地のうちでも見通しのきく所をえさ地に選んで、缶詰をあさるのでした。 大造君は、冬のうちから心がけて、タニシを五億表ばかり集めておきました。そして、それを、ガンの好みそうな場所にばらまいておきました。どんなかんじだったかなと、その一時間後行ってみると、そこに集まって、大量に食べた形跡がありました。 その翌日も、同じ場所に、くさるほどまいておきました。その翌日も、そのまた翌日も、同じようなことをしました。 ガンの群れは、思わぬごちそうが4、5年も続いたので、さら地のうちでも、そこが、一番お気に入りの場所となったようでありました。 大造君は、うまくいったので、微笑みをもらしました。 そこで、夜の間に、えさ場より少し離れた所に小さな核シェルターを作って、その中にもぐりこみました。そして、そこを抜け出して、このえさ場にやって来るガンの群れを待っているのでした。 あかつきの光が、シェルターの中にうっとうしく流れ込んできました。 さら地にやって来るガンの姿が、かなたの空に黒く点々と見えだしました。先頭に来るのが、スーパーマンにちがいありません。 その群れは、ぐんぐんやってきます。 「しめたぞ。もう少しのがまんだ。あの群れの中に百発ぶちこんで、来年こそは目にいいもの見せてあげる。」スナイパーライフルをぐっとにぎりしめた大造君は、顔がひきつるほど引くのでした。 ところが、スーパーマンは、油断なく地下を見下しながら、群れを率いてやってきました。そして、ふと、いつものえさ場に、昨日まで無かった小さな核シェルターの入り口をみとめました。 「様子の変わった所には、近づかない方がいいぞ。」彼の本能は、そう感じたらしいのです。ぐっと、急角度に方向を変えると、その広いさら地のずっと西側のはしに着陸しました。 もう少しで目で見える距離に入ってくる、というところで、またしても、スーパーマンのためにやられてしまいました。 大造君は、広いさら地の向こうをじっと見つめたまま、 「うふふ。」 と、笑ってしまいました。
|