藤岡組紐店のブログ

四代目藤岡潤全の、店番と出張と帯〆製作と、 え〜と、あとなんだっけの毎日です。
 
2007/05/03 2:31:13|潤全話
ライティング・ショップとの邂逅
昨日京都・室町を後にし、ちょっと京都の街を
ぶらぶらしてみるかと思いそのまま東に歩いていました。

すると何やらお洒落なお店があるではありませんか。
"The Writing Shop"と書かれていることから察するに
「書く店→文具店」?
最近特に文房具への興味が津々の僕は吸い寄せられるかのようにお店の中へ。

店の中には素敵な封筒やカード、見たこともないような多種多様な紙、
かっこええ革のアルバム、そして僕の大好きなシーリングスタンプなどなど。

ペンとシーリングスタンプの一体型というのを初めて見たので
そのことをお店の方に聞いてみるとそこから話が広がる広がる!
ステーショナリーに対する愛情が言葉の端々に見え隠れします。
こんなことを言うと無礼かもしれませんが
「同じ匂いがする」方だと思いました。

話を聞きながらふと目を遣った先に素敵なガラスの物体が!!
それがガラスペンだったのです。
それもヴェネチアン・ガラスの、です。
しかもこのガラスペン、ただのペンじゃあございません。
なんと!
インクつぼ(っていうのかな?)にペン立て部分が付いていて
そこに立てて置けます。
そしてそのフォルムといったら!!
一目惚れでした。
数種類ある中から2つに絞り,
その2種類でも3つほど同じものがあるので
全部試し書きをさせてもらいました。
なぜなら全て手づくりなので全部書き心地が違うのです!!
それもそのはず、全部形状に微妙な違いがあるから。
「日本人やドイツ人はなるべく同じように作ろうとするんですが
 イタリア人は、全く書けないなら兎も角、そこらへんは気にしません。
 ハンドメイドならではでいいじゃないかと思ってるみたいです」
とのこと(大意)。
そういう国民性なんでしょうけどよく三国同盟が結べたものですねぇ。

因みに試し書きは僕が「させてくれ」と言ったのではなく
お店の方(花恵さんといいます)に促されてしました。
このあたりに花恵さんのプロ意識が出てるなあと感心しました。
「売れればそれでいい」なんて思ってたらこっちが求めない限り、
試し書きを薦めるようなことはしないと思うからです。
このあたりが僕が「同じ匂いがする」と思った所以です。

このガラスペン、本当にそれぞれが違っていて面白かったです。
細い線しか書けないペン、少し紙との摩擦が大きいペンなどなど。
その中でも一番書き心地の良いものを選びました。
初めてガラスペンを使いましたが
ペン先が紙の上を走るときの音がこれまたいいのです(笑)。

このライティング・ショップは京都にお店を構えるだけなのですが
北は北海道・富良野から南は石垣島まで常連さんがいらっしゃるそうです。
それだけ魅力溢れるお店なんです。
なんでも伊賀にもお客さんがおられるとか。
もしこれをご覧になられてましたらぜひともお話を伺いたいものです。

支払いのときに名刺を頂きましたがこれも本当に素敵!!
活版印刷でひとつひとつ作っていくからかなり大変との事。
欲しい・・・作りたい・・・
でも1枚600円の名刺はちょっと躊躇いますね・・・

ホームページもありましたのでぜひご覧くださいませ。

http://www.writingshop.net/


「ガラスペンはガラスなので壊れます。
 でも壊れるからこそ大事に扱おうという気が起きます。
 筆記具としては(普通のボールペンなんかと比べると)
 確かに少し高価です。
 でもちょっとした出費で生活が豊かになるなら
 決して高いものではありません。」


こういったことを花恵さんから言われました。
それはまさに僕が帯〆に対して思っていることでした。
月並みな言い方で申し訳ないですが、
使い捨ての時代だからこそ良い物はもっと見直されるべきです。
満ち足りた気持ちでお店を後にしたことは言うまでもありません。

広島のDMはこのガラスペンで書くことにします!







2007/05/02 2:19:49|潤全話
いつも出会いは突然に
このブログ、だいたい夜中の更新になってしまいます。

いろいろ理由はありますが、大体は仕事をしていたとか、
友人と電話で喋っていたとか、出張先からの帰宅が遅くなったとか、
酔っ払ってとてもじゃないけど更新出来る状態ではなかったとかです。
多いのが納得のいく内容じゃなかったとか、
推敲しても文章にまとまりがなかったとかそういうのです。
「この内容で推敲してるのか?!」
なんて言われそうですが
そこらへんは大目に見ていただきたく思います(笑)。

今日は二つ目の理由、友人と電話してたからでした。
知り合ってさほど長いとはいえませんが
すぐに意気投合し、仕事の事やらプライベートの事やら
何かと相談したりされたり、そんな仲です。

今日は月初めなので京都に行ってきました。
取引先の副社長に母が会ったのは一昨年の阪神百貨店本店でのこと。
副社長がたまさかに催しを見に来られたそう。
その副社長のお友達が件の桝蔵さんで、
去年紹介していただきました。
(今日も桝蔵さんには大いに笑わせていただきました)
このお二人との出会いは本当に素晴らしいものでした。
世界が本当に広がりましたし、いまも広がっています。
直接の取引はなくともお二人のところに集まる(主に呉服関係の)方から
色々なお話も聞かせていただいてます。
僕のような仕事においても人生においても未熟な者には
聞くことのほとんどが糧とすべきことです。


改めて言うまでもなく斯様に出会いというのは
突然のもの、かつ本当に素敵なものです。
だからこそ日々が楽しいのかもしれませんね。
実は今日素晴らしい出会いがあったのですが
それはまた明日にでも。







2007/05/01 1:23:46|伊賀
春色の汽車に乗って伊賀に連れて行ってよ
今日は上本町近鉄に行ってきました。

この催しは2週間の開催で、うちは後半、2週目に出展しています。
聞くところによれば前半の週はもひとつ伸び悩んだそうな。
しかし後半出展の皆さんの頑張りでそれをカバーする売上とか。
なんだか足を引っ張っているようで申し訳ない・・・
と思ってたら今日はかなり追い上げました。
当店の一番長い催しで思い入れも強い上本町近鉄「職人の技展」、
みんなの頑張りでまだまだ続けさせていただきたいものです。
会期はあと2日。
本当にいい職人さんが集まっていますので
ぜひぜひお越しくださいませ。


さて伊賀市にはJRと近鉄電車が走っています。
JRは特別変わりのない電車ですが
近鉄の車両はちょっと変わってます。
それがこの写真の電車。
忍者の里にちなんで「くのいち」が全面にペイントされています。
これを担当したのがアノ松本零士。
「銀河鉄道999」「宇宙戦艦ヤマト」のあの松本零士です。
何故?
縁もゆかりもないはずですが・・・

くのいち電車はもう1台、グリーンを基調にしたものもあります。
最初から2種類ありましたが
その時はピンクとブルーの2種類でした。
それがいつからかブルーのがグリーンを基調にしたものになってました。
その側面には何故か猫が描かれています。
市の広報か何かで
「松本氏が猫好きのために」
とかなんとか書かれていましたが
その猫はどう控えめに見ても松本氏の作風とは異なる気がします・・・

大阪方面から帰ってくるとき、
この単線を走る電車にガタンゴトンと揺られていると
「ああ、帰ってきたなあ」
となんだか安心してしまいます。
上野高校の先輩でもある平井堅も通学に使っていたそうです。
(くのいち電車は97年からなので通学時には乗ってません)
いまや伊賀を象徴するような(?)なかなか味のある電車となってます。
くのいち電車に乗ってぜひぜひ伊賀にお越しくださいませ。

なお藤岡組紐店は広小路駅下車、東に徒歩1分ほどです。







2007/04/30 1:49:16|ギャラリー
4月29日は昭和の日
今年から4月29日は昭和の日になりました。

「昭和の日」との名称に何かと論議が交わされそうな気がしますが
この上のサブタイトルからもなんとなく察せられるように
このブログはゆる〜い内容ですので
「天皇制の是非を問う!」みたいな事を書くつもりは毛頭ございません。
あしからず。

今日は上本町近鉄には父に行ってもらい
丸一日店番をしていました。
昨日はけっこう寒かったせいか、
それとも連休初日でおうちでゆっくりしてる人が多かったせいか、
観光の方も少なかったようですが
今日は店の前を歩く忍者の数も半端じゃなかったです。

それにしても子ども忍者はかわいい☆
お父さん・お母さん方が着せたくなるのも大いにうなずけます。
でも、店の中でのチャンバラだけは勘弁な!(危ないので)

NINJAフェスタも始まって早1ヶ月とちょっとが経ちました。
忍者に変身出来るのも残すところあと1週間です!









2007/04/29 2:33:59|潤全話
藤岡の「藤」は藤の花の「藤」
苗字が「藤岡」だから、というのもあるのでしょうが
藤の花が好きです。

僕は花に限らず、何でも他とは少し違うものが好きなのですが
ご存知のように藤は他の花の形状とは少し異なり、
房になって垂れ下がっています。
なんだか素敵じゃないですか?!
と、いきなり同意を求めるのも変ですが(笑)、
そんな藤の花に魅力を感じてしまうのです。
他の花の大半は重力に逆らう形で
「えいやぁっ!」と咲いていますが藤はその逆。
重力に全く逆らわず流されるがままに、
しかし確りと自己主張しています。
着物や帯の柄にも好んで取り入れられており、
古来より日本人に愛されてきたのもよく分かります。
今回は藤の花にまつわる話をいくつか。


藤の花の名所といえば世界遺産、春日大社。
有名な「砂ずりの藤」があります。
この「砂ずりの藤」の由来は花穂が1m以上(!!)垂れ下がり
地面の砂を擦るほどのびることからだそう。
残念ながら僕はまだ行ったことがありません。
連休の予定が決まっていない方は行ってみてはいかがでしょう?
蛇足ですがこの春日大社は鹿が神使なので
鹿みくじがあるそうです。
ぜひひいてみましょう。


今やってる上本町近鉄で以前柿渋染めの職人さんに聞いた話ですが
山藤は天婦羅にすると美味しいそう。
エディブル・フラワーって(食用菊もそうですが)
あまり美味しいイメージがないし
にわかには信じがたい話ですが
花穂に衣をつけてカラッと揚げるとよいのだとか。
でも春野菜の天婦羅が大好きな僕はぜひとも一度食べてみたい!!
食べたことのある方はいらっしゃいますか?


ギャラリーの店先に藤の花を出しています。
もちろん「砂ずりの藤」とは比較になりませんが
なかなか綺麗です。
すこし散り始めているのでお急ぎくださいませ。
藤の花の花言葉は「歓迎」なので
店先にはぴったりと言えますね(笑)。

花には複数の花言葉を持つものが少なくありませんが
藤のもうひとつの花言葉は・・・

「恋に酔う」

なんて素敵な花言葉!!
平安の世には藤の花の甘い香りとともに
男女は甘い恋に酔っていたのでしょうね。
「恋に酔っている」人も「恋に酔いたい」人も
藤の花を見かけたらこの素敵な花言葉を思い出してみてください。