いま伊賀の街中で紅花を見ることができます。
ご存知の通り、紅花は食用、薬用、染料とさまざまな用途があり、 もともと紅花は伊賀の名産品だったそうです。 芭蕉の句にも
「まゆはきを俤(おもかげ)にして紅粉(べに)の花」
とあります。 (尤もこれは紅花で有名な山形を訪れたときの句ですが)
芭蕉生誕360周年の2004年より 街に紅花の鉢などを置く運動が始まったようです。
昨年はまだギャラリーを開いていなかったのですが 今年は既に鉢が店の前にあります。 切花も玄関においています。 街中に置いてあるのでこれから観光にこられる方は 紅花も楽しんでみてください。
紅花はまたの名を「末摘花(すえつむはな)」と言います。 「茎の末の方から咲き始める花を摘み取る」ことがその語源だそうです。 ご存知の方もいらっしゃると思いますが 「末摘花」と言えば紫式部の「源氏物語」の登場人物のひとりを 僕は真っ先に思い出します。 「末摘花」は「鼻が紅い」ことから「紅花」とかけてそう呼ばれるのですが この方は源氏物語唯一の不美人。 光源氏は彼女と結ばれるのですが、 朝起きてその醜さに仰天したとのこと (平安時代はもちろん電気がありませんからね)。 このあとも希代のプレイボーイ、光源氏とは対照的に 源氏ただ一人を愛し待ち続けた一途な女性でもあります。
僕は原書を通読していない不届き者ですが、 大学受験前に読んだ漫画版「あさきゆめみし」では その他の少女マンガチックな絵とはかけ離れた容姿でした。 でもかなり泣けるキャラです。 「なんでもっと美しく産まれてこなかったんだろう」 などと独白するシーンは涙なしでは読めません。
以前も書いた気がしますが 「あさきゆめみし」は受験生のみならず、 いろんな方にオススメですよ。 最初は登場人物の顔の区別がつきにくいですが そんじょの恋愛モノなんて太刀打ちできない面白さだと 僕は思いますね! |